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チームビルディングのための「心理的安全性」

 「心理的安全性」という言葉がよく聞かれるが、これがある組織とす
るためには、自らリーダーシップを発揮し具体的行動や質の高いコミュ
ニケーションをとっていく必要がある。本稿では、心理的安全性とは何
か、、またチームビルディングのための対話のポイントを解説した。

ビジネスコーチ株式会社 大野 晃輔

1 心理的安全性とは何か

⑴ 「十年一昔」から「半年一昔」への時代の変化


 「十年一昔」ということわざがあるが、人の興味の移り変わりや様々な技術の進歩のスピードが以前よりも格段に上がり、次々と新しい商品やサービスが生み出されるのが当たり前となった今、対象によっては、「一年一昔」「半年一昔」となるものも存在する。そのことを認識し、置いて行かれないように工夫をしていても、少しでも油断すると取り残されてしまう時代の只中に私たちはいる。
 このようなVUCAの時代と称される環境下で企業は淘汰されることなく存続し、さらに成長を遂げ続けなければならない(もちろん、銀行もその渦中にいる)わけであるが、昨今、組織開発のキーワードとして注目されているのが、今回のテーマである心理的安全性である。
※VUCA: Volatility( 変動性) /Uncertainty (不確実性)/Complexity(複雑性)/Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとったもの。

⑵ 心理的安全性の定義


 「心理的安全性」とは、米ハーバード経営大学院教授・エイミー・エドモンドソン氏が最初に提唱した概念であり、「他者からの反応に怯えたり、羞恥心を感じたりすることなく、自然体の自分をさらけ出せる環境、普通なら
嫌われたり、関係が破綻したりするようなリスクがあっても、どのような発言や指摘をしても問題がない状態」を指す。

⑶ 心理的安全性が注目されたきっかけ


 「心理的安全性」は、Google 社内の調査・分析により「他者への尊重・共感・許容」といったメンタルの要素が高い人たちが集まっているチーム(組織)は、生産性が高く業績も良いという結果が出たことで、継続的に高いパフォーマンスを出し続けるチームに共通する要素として、一気に注目を集めた。

⑷ 心理的安全性を測るための7つの質問


 自組織の心理的安全性の状態を知りたい方のために、エイミー・エドモンドソン氏が提唱している「心理的安全性を測るための7つの質問」を紹介する(図表1参照)。
 1〜7いずれも、数字が大きい方が良い結果と判断する。自身でチェックしてみてももちろん良いが、組織のメンバーにチェックしてもらうことで、より実際に近い現状を把握できるはずだ。

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