キングスキャニオンと人類

2020年2月22日からApex Legendsではキングスキャニオンというゲームリリース直後の旧マップで遊べる。

Apexはリリースしてからまだ1年しか経っていない。しかしこの一年であの全盛期バトロワ旋風の中、PUBGやフォートナイトを差し置いた一番の人気とも言えるほどの成長を遂げた。まさにEye of the Storm。

マップも大きく変わり、現在は初期とは全く違うワールズエッジというマップで戦っている。そんな中、イベントとして3日間だけキングスキャニオンの初期の初期のマップで遊べる。

キングスキャニオンが帰ってくると聞いて本当に楽しみにした。それまではまるでホームシック。帰省を待ち遠しにし、現地時刻で日を跨ぐまで実に日本では午前三時までその時を待った。

楽しみにしていたキングスキャニオン。懐かしかった。

しかし全然面白くなかった。イライラした。なぜなら全く勝てないからだ。猛者ばかりで、自分は狩られる一方。バトロワとはまさにヒエラルキーと言ったところ。私はApex(頂点)を支えるための土台にしかすぎず、プレデターのキル数に貢献した。

それはマッチメイキングのシステムなのかもしれない。しかし、記憶よりスカスカしたマップに多くのプレイヤーが物足りなさ、こうじゃない感を感じただろう。チームの数は20なのに名前の付く土地は17ほどしかない。戦いを仕組まれた子供達は、すぐ狩人に狩られてしまう。その戦闘を越えてもすぐ漁夫海賊が来る。だからチームの減りは異常に早い。

しかし、これはマップが悪いとは思わない。この一年で戦術が当初より進化しすぎてしまったのである。戦術が進化しすぎてしまい、マップがそれに追いつけていないのである。攻防と漁夫。このサイクルが確立されいて、勝つためのプレイ、キルのためのプレイ、キャラコンやアビリティのタイミング、キャラの数など多くの戦術の進化が起きた。

そう思うと運営であるRespawnはいい仕事をしているなと思う。現在のワールズエッジではそのようなことが起きないからだ。進化する戦術に適応したマップを更新し続けている。

それを考えた時、我々が生きる地球もキングスキャニオンのようなことが起きてしまっていると思った。資本主義の戦術の中、猛者が狩る消費者、限られた資材の中で漁り漁られ生き残れるのは頂点に立つものだけ。

生まれる経済格差と、枯渇する資材。地球は高度に進化する科学という人類の戦術に適応できなくなっている。

地球との共存が正義かは解らない、しかしこのままでは地球は人類のペースに耐えられなくなる。ただもう地球には資源が限られてきている。


----おまけ----

地球と共存しようとするものは搾取され、搾取するものだけ不自由ない暮らしをする。Apexと世界観を共有する前作タイタンフォールをプレイするとわかるが、IMCは星(フロンティア)から資材を搾取する組織で、その中核がHammond社である。ワールズエッジに到着したハーベスターは星のエネルギーを搾取し、Hammondの利益となるだろう。タイタンフォール2では搾取を続けるIMCに対抗した、星との共存を図るミリシアという組織(部族といった方がいいかもしれない)の話だが、IMCを倒したかまでは描かれていない。




18歳、学生、クリエイター、未来創造者、過去探索者。