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ブランド好き

って言うと、良い印象に映らない気がします。なので人前でわざわざ宣言することはないですが、

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私、ブランド物も大好きです。

きっかけは、すごく若い頃、定番もので洋服を揃えれば、一生、ファッションには困らないんじゃないかと思い(ケチの発想)質が良くて長く着られるものを選ぶようにしていたら、いわゆるブランドものに行きつきました。特に夢中になったスタイルはフランスのB.C.B.G.(ボンシック、ボンジャンル)

ーパリ16区に住む品のいい女性のイメージ。流行りに乗る事なく、定番の洋服を上手く着回し、数を絞る。その普段着を格上げして見せる3種の神器はエルメスのバッグ、J.Mウエストンのローファー、オールドイングランドのカシミヤのストールー

これだ!と思い毎月、1万円づつB.C.B.G.貯金をして揃えていきました。当時、二十歳そこそこで高いブランドバッグを持つのはどうかという世間の風もありましたが、

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私としては定番もので長期使えるなら、減価償却も早いんじゃないかという、意外に合理的な面からブランド道に入りました。

ま、その後、一生ものはない、と言う結論に辿り着きましたが、、、、本末転倒。

で、今現在、なんとなく世の風潮をキャッチして、自らブランドもの大好きなんですとは口にせず生活しています。が、逆に時々耳に入ってくるのは、

ブランドなんて!発言。

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ブランドにこだわること自体がダサい、名前なんて関係なくて、安くていいものを買うのが良いんですよ。

そうですね。それができれば一番いいと思いますが、そうやって良いものは次第にブランドとなっていくものだと思います。

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ブランドなんて、タグにお金を払うようなもの。ブランド、ブランドした服着て、どこのブランドかすぐバレるようなのは嫌なのよ。

そうですね、ですが、ブランドものじゃなくても、ああ あそこの洋服なのね、って言うのはいっぱいあると思います。

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改めて私がブランドものが好きな理由を考えてみると 実は質や名前よりも、オリジナルか、どうかにありました。

いわゆるファストファッションはその時々のトレンドを捉えて 低価格で、ある程度見栄えがいいものを提供してくれます。

ユニクロ、 COS で去年も見かけたコクーンシルエットのコートのデザイン元はセリーヌのフィービーでしょう、 COS のベーシックラインにはジルサンダーから来たんだな、と思われる型のものが多くあります。

ファッションに興味があるからこそ、これら流行りの洋服の元は誰が考えたものだろう?に行き着きました。そして世の中に溢れている、人気となったもののオリジナルに惹かれてしまうんです。このデザインがここで誕生したという物語が好きなんです。メゾンと名乗っているブランドにはには一から作るデザインがあるはずです。ここに高価な理由があります。

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また、こんなことがありました。友人のお母さんがパリに住んでいた時のこと。かなり裕福な方で、ある年、旅行でパリに行った私にDiorのジャケットを譲ってくれました。受け取った時は、ああ、Diorのジャケットなんだ、くらいにしか、思わなかったんですが

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ホテルに帰って、袖を通した時に今まで感じたことのない着心地を体験しました。多分80年代ものと思われるそのジャケットは少し肩が張ったデザインだったのに、肩のあたりがとてもスムース。なんだこれは!と、すぐに脱いで観察し、それでもわからなかったので、失礼ながらカッターで糸を切ってみました。

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開いてみると、その肩パットの部分に柔らかいオーガンジーがきちっと幾層にも重ねられて縫い込められていました。一度バラしたら2度と、再現できない細かな手仕事だったので、深く感動しました。

開いてみなければ誰もわからない所までの丁寧な仕事、それにかける熱量。これを着るには私にも覚悟(何の?)が必要だ、と思った覚えがあります。

ここにブランドのブランドたる意地を見た気がしました。

今、ファッションは元気があまりありません。強烈に時代を引っ張っていってるデザイナーもすぐに思いつきません。被服費にかけられる予算もそれほどないのが現状です。そして着る物を買おうと思い立った時に、予算から決めてしまうと、行く店が限定されてしまいます。でもファッションが好き!って思うならば、勧めたいことがあります。

ブランド店での試着です。

高価なものほど、試着です。

一生手に入れることはないかもしれない服、靴、鞄でも 触れてみるだけならタダです。日本は店員さんは親切だし、デパートなら、敷居が下がるし。どうせ高い税金払ってんだから、くらいの気持ちで、ファストファッションにアレンジされるかも知れない前のオリジナルをぜひ試してみて欲しいです。

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試着してみて、これは普段買う予算の10倍、20倍の値段はないなと思ったら、手頃なものを買えば良いと思うし、もしかしたら私のDiorのジャケットのように何らかの覚悟に出会うかも知れません。きちんと作られた物のパワーは底知れないものがあります。これを知らないまま過ごすのがもったいないのです。

是非是非 Try it!



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