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自家製トリュフの作り方

今回の記事はニコラスケイジの最新作映画 Pig を鑑賞したことから始まりました。

まずはあらすじ。

世捨て人のような男(ケイジ)がオレゴンの人里離れた山小屋にトリュフを探せる豚(girl)と一緒に住んでいる。仲介人にトリュフを売って生計を立ていたが、ある日その豚が盗まれてしまう・・・

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Pig 2021.

元伝説のシェフ役のニコラスケイジ。役作りなのか怠惰な生活のせいか、相当な体重増加で臨んだ今作。豚を盗まれたニコラスケイジをはじめ、それに関わった人間が逃げてきた自分の過去に否応なしに向き合わざるを得なくなります。作品紹介ではスリラーと記載されていましたが、深い人間ドラマでした。

舞台となるオレゴン州は食の文化が抜きん出て進んでいる州と前から聞いていましたが、レストランに運ばれる食材、オレゴンのワイン、調理方法などを見せることで自然にそれを示していました。トリュフを探せる豚は雌豚だと聞いた事があります。それは発情期の雄豚の匂いにトリュフが似ているからだと説明されました。盗まれる豚はGirlと呼ばれていることから、ニコラスケイジの豚は雌だということがさりげなく描かれています。最近の説明が過ぎる映画が多い中、多くを語らせず、登場人物の風貌(トリュフの仲介屋の男性が儲かっているらしく、グッチのベルトだったり)や言動でキャラクターを見せているのが非常に上手いなあと思いました。

この作品に惹かれた理由はもう一つあります。

私はトリュフが大好きなんです。

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ですが、トリュフって高価ですよね。だから、作中でも鼻が利く豚が盗まれちゃうんですが。

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東京にいた時は季節になると、えいっと奮発して知り合いのイタリアンレストランに行ったりもしましたが、今在住のサンフランシスコではトリュフを扱っているイタリアンさえ、探せていません。なのでこの作品を見て、内に眠っていたトリュフ熱が吹き出してしまいました。

トリュフの料理が今すぐ食べたい。

以前、イタリアンのシェフから『マッシュルームから、トリュフ(もどき)が作れるよ』と聞いていました。なので


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自家製トリュフ 作ります!

材料はマッシュルーム500gとにんにく1カケ(すりおろし)後はあなたの3時間!

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①マッシュルームを500g用意。

②③フープロかバーミックスでほぼ液状になるまで粉砕。キノコって水分でできてるんだなあと実感できます。

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④フライパンに移し、ここでニンニクを一欠片すりおろして加えます、なくても大丈夫です。(30分ソテー時)

⑤弱火から中火でひたすらソテー(1時間30分ソテー時)

⑥2時間超えてくると、かなりポロポロに、粗い粉状を目指します。

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500gのマッシュルームがぐんと濃縮され、66gのトリュフ(もどき)になりました。(冷蔵保存で三週間持ちます)

生クリーム100gと大さじ1のトリュフ粉でパスタ(乾麺80gの1人前)

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生クリーム100gと大さじ1のトリュフ粉とお茶碗一杯分の洗ったご飯で簡単リゾット。味にブーストをかけるため、ドライポルチーニを足しました。

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調子に乗ってきたので、オリジナルトリュフ大根を作ります。

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フォンドボーとありますが、市販のキューブでも十分に代用できます。

では、トリュフ大根にかかりましょう。

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①米の研ぎ汁か、ご飯炊く予定がないなら、スプーン一杯分の生米と一緒に輪切りの大根を下茹でします。大根が透き通ってきたらお湯を切ります。(20から30分)

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②③鍋に下茹でした大根を並べ、スープを鍋に入れる。大根全体がスープでひたひたになるくらい。スープが足りなかった足してください。

④中火で一度、沸かしてから、落とし蓋をして、弱火〜中火で約1時間、焦げないように、たまに大根をひっくり返して、味をよく染み込ませるように煮ていきます。目安は煮汁が半分の量になるくらい、少しとろみがつきます。

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⑤マッシュルーム粉を加えて、スープに旨味を煮出します(5分くらい)

⑥生クリームを入れて弱火で煮汁を大根に回しかけながら、詰めていきます。

⑦煮汁が詰まって茶色になった出来上がり。

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皿に盛り、味を塩で整え、黒胡椒を挽いて、あさつき、イタリアンパセリなど緑を振りかけたら ボナペティ。本末転倒、チートな行為ですが、もし、あればトリュフオイルをひと垂らしできたら、マッシュルームだと誰も分かりません。なくても十分トリュフぽいです。

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樽香がありMLFされたシャルドネとピッタリでした。また家でしか食べれないちょっと品のないメニューですが、炊き立てご飯に乗せて食べると、即席リゾットみたいです。


緊急性のトリュフ欠乏症はなんちゃってトリュフでなんとか収まりましたが、本物のトリュフは食べたい気持ちは高まるばかり。トリュフの名産地、イタリアのアルバは遠いけれど、映画Pigの舞台、オレゴンなら、カリフォルニアの上隣の州です。私に豚はいないけど、訓練しがいのある犬ならいます。香りを覚えさせるためにトリュフを一個買うしかないですね。

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彼女は、もう鼻みたいなトリュフを持っていました、えへへ。


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