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拝啓、思ってもないことばっか言うあなたへ。

回顧。
年始にお参りした神社に呼ばれている気がして、
お参りだけのために出かける休日。

地下鉄の改札出てすぐの、
人生や時代がこびり付いた飲み屋の通りが
どうしようもなく好き。

見ず知らずの誰かの人生のほんの一部が滲む。

お昼はマックの新作ナゲットがどうしても食べたいというだけで、
どこでも食べられるマクドナルド。
どこか満たされないのは何故?

神社までの道。
途中の公園に文字通り吸い込まれた。

ライラック?...じゃない気がする。
けれど素敵だった。
アネモネかなぁ。
祖母の家の庭に咲いていたのを思い出す。


道路下の暗がりは何となく不気味だが落ち着いてしまう。
ギラギラしすぎた太陽の中を歩き続けるのは些か疲れてしまう。


寄り道しながら神社でお参り。
呼ばれた気がして、行かなきゃ行けない気がして行っただけだから、どうしていいやらわからない。
とはいえ思いの丈はお伝えして後にする。

来た道を少しだけ逸れてまた公園へ。

もう戻らぬ青春を何とも思わない顔してる。
対抗意識。
川だけど潮の香りがした。

道中ずーっとMr.s Green Appleを聴いていた。
公園にさしかかったところで流れたのが「フロリジナル」

「愛してる」という言葉について?
ぐるぐると考えながら歩き回った。

元彼は事ある毎に「愛してる」を使う輩だった。
私はなぜか言われる毎に心の温度がすーっと下がっていった。

輩の言う「愛してる」には中身がなかった。
あるいは、私はそこに居なかった。

語弊を恐れず言うと、ディオールの紙袋にスーパーのおせんべいを入れて、「はい、プレゼント」と渡すような「愛してる」だった。

これはディオールにもおせんべいにも失礼だ。
中身がディオールの化粧品なら、外袋がスーパーの袋なら、どちらもとても素敵な贈り物になり得たのに。

中身が伴わない言葉ほど冷めるものは無いなと彼から教わったんだと、ジリジリ照る太陽に焼かれながら、ぼんやり思った。

今度またチャンスがあるなら、中身のある言葉を交わせる人と一緒に居たい。

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