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ヨーロッパを旅行して考えたこと-3

渡航前の夏。社長に、再来年あたりには退職して、海外でマスターを取りたいと思う、と伝えたら、「いいじゃん。何勉強したいの」と問われた。わたしは躊躇いながら「政治か、文学ですね」と答えた。躊躇ったのは、例によって自分に対して「政治か文学って軸なさすぎじゃない。ほんとに何がしたいの君は」と思っていたから。でも、ヨーロッパを旅してみて、わたしは悟った、政治と文学って、当たり前につながっているのだと。結局わたしがやりたいことは一つなんだ、と。

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西洋美術に対する関心を急激に高めたわたしは、オランダ・ベルギーへの旅行を決め、主要美術館を丁寧に回った。そしてその、美術資産・美術教育の厚みに圧倒された。きっと西洋では当たり前のことなのだろうけれど、美術を学ぶことは歴史を学ぶこととイコールだということに今更気づかされた。いや、というよりも、美術は教養の総合科目だったのだ。美術って美大に行くような人たちのものだと、どこか遠巻きにしていたが、全然違ったのだ。

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33歳、新卒入社11年目にして、終わらない「自分探し」をする皮肉屋の冷笑家です。自嘲気味ながらも、墓場に自分を探しに行く、そのグダグダな軌…

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