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今週の映画とわたし 20/3/16~3/22

正直どうでもいいとは思うのですが、今週はなんだかbreakup movie weekだった。「愛してくれない男はさっさと劇的に断ち切りましょう。バットでぶん殴るもよし、燃やすもよし、殺すもよし。」これが今週の標語。ではいきますね。

1.Birds of prey 〜ハーレイ・クインの華麗なる覚醒


ひゃっほーーーーう!!ハーレイ・クイン最高ラブ!!バッドアス可愛い!!マザーファッカー可愛い!!ファッキン派手で自由でクレイジーで野蛮!!元カレなんて、ジョーカーなんてくそくらえ、誰にも支配されない、誰にも所有されない、誰にも文句言わせない、好きな服着て好きなもん食って、好きな友達と騒いでワンコ(この場合ハイエナ)愛して、自分史上最高に、自分が愛せる自分で生きていく。

ディズニー・プリンセスをもう必要としないわたしたちの、新たなプリンセス像の確立を目撃した。

ああ胸熱・・・。ハーレイ・クイン、こんなにめちゃくちゃなのに、そのmessがめちゃくちゃ可愛い・・・こうやって生きていいんだ、我々。誰がメンヘラだよちくしょうが。誰が感情的で非論理的だよちくしょうが。吹っ切れてぶっ飛んだ女は最強。

特にアクションとファッションが良かった。

アクションは『ジョン・ウィック』シリーズの87イレブン・アクション・デザインが担当。女性の俊敏で激しいアクションってここ10年でグッと増えていて、代表的なのはもちろんアベンジャーズのスカヨハだし、MIのレベッカ・ファーガソンも記憶に新しい。彼女たちはあくまでスパイだし、機敏で無駄のない計算され尽くした動き、かつ自分より体格とパワーが上の相手を効率よく倒すことに主眼が置かれたアクションだ。

が、このハーレイ・クインのアクションって、もっと野蛮で実践的なのだ。体操選手のようなのびのびした動きから繰り出される激しいドロップキックにパンチ、「全力でぶん殴る」って感じの野蛮で、規律めいていない自由な動き。ローラースケートなんていう90年代胸熱アイテムぶっ込んでみたり、バットとハンマー振り回して男たちの急所と頭をかち割ってみたり、ぶっ放す銃からはハーレイらしいキラキラアイテムやカラフル煙幕・・・!!もう、ただただ楽しい・・・・!!とにかくMessなんだ。彼女のアクションは。両足でキック決めた後に、どてって地面に落っこちるのとかも、スパイアクションでは絶対にありえないよね。そのあたりがハーレイっぽくて、ドジで野蛮で、めちゃくちゃで、とにかく楽しい。

あと、服が最高に可愛かったんだよ・・ちくしょう・・・あれ着たいよ・・・ギラギラとキラキラとピンクと原色がいっぱいの、超絶ポップなバッドスクールガールファッション・・・いや・・日本の34歳会社員には決してできないこと・・・見てて楽しくてため息でたよう・・・

音楽もよかったね、全編女性アーティストかな?

”I'm bitch.I'm boss.”のサビが最高なDoja Cat "Boss Bitch"に、あんたなんてただの悪い思い出なのよ、別れてスッキリしまくり!とクールに歌うK.Flay”Bad Memory”・・・。どの曲も、フェミでもフェミでなくても、女ならきっとブチ上がる曲ばかり。

あーまじでブチあがったわ。もうほんとに、しょうもない男に引っかかっている場合ではないよねwww朝からマルガリータ飲んでいっちょ闘いに行っちゃうよねwwwって思った。

ステッカーもキーホルダーも買った上Tシャツが欲しいのは、この日本のサラリーマン34歳独身女ですが、何か。

2.ミッドサマー ディレクターズカット版

観にいってしまいましたよね・・・ついにね・・・

通常版で2時間20分あるんですが、こちら、2時間50分。アリ・アスター監督本人でさえ「早く終わって欲しいと思うと思う」と曰う、ある意味「しつこい」ディレクターズカット。

1回目観たときより、ダニーのまともさ・聡明さ(ちゃんと危険察知してるし)と、クリスチャンのペラペラっぷり・おバカぶりが目立つカットだった。ホルガに赴いたアメリカ人たちに対する非難めいた視線が、通常版より増しているように思った。それぞれのキャラクター造形がより丁寧に描かれていて、人間関係の力学もよくよく浮かび上がっていた。アリ・アスターが描こうとした、人間関係の毒・奇妙さ・気まずさが、よりどっしりと感じられた。

なので最後、「ダニー、クリスチャンと別れてよかったね。正解正解。あなた、賢くて強いから大丈夫だよ、クリスチャンなんていなくても。」っていう清々しい気持ちになった。

そして、改めて、どんな悪いことが起きるかわかっている状態で観ると、この映画、楽しいな!!この恐ろしい祝祭がいつ終わるかわかってさえいれば、こんなに爽快に楽しめるとは。1度目の鑑賞では、何が起きているのかさっぱりわからないアメリカ人と同化した視点で鑑賞したが、今回は、ホルガ村の人たちの視点、またはアメリカ人をこの村に連れてきたペレの視点で、「え?これの何がおかしいの?村の一大イベントじゃん!!超華やかな祝祭じゃん!!自慢の伝統なんですけど!!」という気持ちにさえなった。「つーかアメリカ人、何騒いでんのよ!!」くらいの。

いやー面白かった。これは二回観るべき作品だわ。傑作けっさく。

3.ジョン・F・ドノヴァンの生と死

うーーーーーん、ドラン作品特有の、キリキリする痛みが感じられない、後半やや退屈さえするメロドラマだった・・・。彼の作品史上、最低の評価なのも、わたしは納得してしまった・・・

ドランって、ものっすごいナルシストだと思うんですよ、それは明らかだと思うんですよ、自己陶酔的な要素も多分にあるし。でもそれがただの自己愛としてではなく、痛みとして作品に昇華されるから、みんな夢中になってしまうわけで。でもこの作品では・・ただの自己陶酔とノスタルジーで終わってしまったように思う・・・

ただ、キット・ハリントンの色気はめちゃくちゃに良かった。GoTジョン・スノウの時は色っぽいなんて思ったことなかったけど、これはドランのスタイリングや演出の凄さということなんだと思う、この作品ではものすごく色っぽかった。

無造作に見える着こなし、くしゃくしゃに括った髪、眼に宿る光と影、その孤独。

キット・ハリントンに投影したドラン像には魅力を感じたが、ストーリー全体にあまり陶酔できなかったのは、やはり文通という要素の弱さだろうか・・物語の根幹であるはずなのに説明が少なすぎて、二人にとっての文通の大切さと、だからこそのクライマックスの切なさが、あまり伝わってこなかった。

AdeleのRolling in the Deepが流れるまでのオープニングのシークエンスは良かったけどなあ・・・音楽も他に特筆することはそんなになかった気がする・・

4.Just Mercy ~黒い司法 0%からの奇跡

これはまーーー骨太な演技合戦だった・・・

アメリカの司法がどれだけ不正義に満ちているかは、今更説明する必要もないけれど、これも、ある冤罪をかけられて死刑を言い渡されたアフリカ系アメリカ人男性の逆転の物語。

ジェイミー・フォックスとタイマン張って負けていないマイケル・B・ジョーダンの演技。とにかく俳優の顔、顔、顔。

耳触りのいい言葉も、派手な演出もいらない。真実と表情で魅せる。そういう静かで力強い映画だった。地味だけど、こういう骨太映画はいいよね。ぜひ観るべき。

5.今週のわたし

いやー、会社辞めるって言ったんですよ。メールで。こういうのって別れ話と同じで、受け取る側からしたら急でしょうけどねえ。メールで「3ヶ月か、遅くても半年で退職します」って。

そしたらまーまー大騒ぎになりまして。颯爽と社長が現れて引き止められて「お前何をいってんねん、半年後に昇進決めてたのに。それ、5月に早めたるから、今はこの会社におれ。今辞める、はない。」(東京育ちの女性社長なのでこんな言い方ではありません)ってことになって「あ、はい」ってなりました。

まーさ。1年前くらいに別れた男の子の時と一緒でさ。

「あなた、わたしのこと好きじゃないと思う。だから会うのやめよう」

ってLINEで別れるみたいな。そういう直感的な辞め方をしようとしてましたけどねwwww

だってー、4月人事で昇進がなかったから「あ、これもうわたしいらないってことだな」と判断しちゃったわけですよー。まあ、長きに渡ってヒラ社員で耐え忍んできたから。同期や仕事のできない先輩が出世していくのを横目に。だからもうね、

「4月でこの配属ってことは、あなたわたしのこと愛してないのよ。別れましょう」

ってなっちゃったわけ。

でも、良かったことは、辞めると本気で決意できたこと。

辞めると宣言して、転職のオファーも並べて見て、「あ、別にこの会社じゃなくても全然生きていける」と本気で思えたこと。

自分が、こういう大きな決断を、とんでもなく直感的に、非連続に、竹を割ったように、下せることが確認できたこと。

「この男がいなくてもわたし全然平気だわ」っていう清々しい心境と同じですね。

やっぱり依存しているように見えるものってなんら依存ではないんだよな、断ち切ってさえしまえば。これがないと生きられないなんてものは究極的にはないんだ。全部「空」だから。(急に仏教)

つくづく、今週はbreakupがテーマの1週間だった。

わたし全然一人で自由に楽しく生きていけるわ、っていうことを改めて確認。

ハーレイ・クインのように。覚醒や、覚醒!!

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