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今週の映画とわたし 20/1/12~1/16

正直どうでもいいと思いますけどわたしが今週観た映画を振り返っておきたいと思います。今週は個人的にポン・ジュノ映画祭を開催しました。

パラサイト

んもう!!!!!んんんんんんーーもう!!!ポン・ジュノ天才。天才天才天才天才天才!!!!!天才!!!!!!!カンヌだったら全力で鼻血ヘドバンしながらスタンディングオベーションしただろうな。と思いながらTOHOシネマズ日比谷でうずうずした・・・まじでスタンディングオベーションの衝動を抑えるのに必死だった。
14日、TOHOシネマズデイとはいえ火曜日・平日、18:25の回でプレミアムスクリーン大入り。日本の観客はみんな静かに観るけど、それでも湯気のように立ち昇る興奮が見えるようだった。わたしだけ?笑

この日に向けて全ポン・ジュノ監督作品を鑑賞して備えたわけだが、どの作品も最高でありながら、パラサイトは、いったん、やっぱり、ポン・ジュノの最高傑作だと思った。

エンターテイメントなんだ。超ド級のブラック・エンターテイメントなんだ。だから、概ね、どんな人でも「お、面白え!!」ってなる映画だと思う。

でもポン・ジュノ独特の、わたしが好きなポイントでもある、あの”ALL THIS MADNESS‼︎‼︎‼︎”ぶりは、熱狂する人と、冷めちゃう人がいると思う。

タランティーノが早くからポン・ジュノを褒めちぎっていたことからもわかるように、ポン・ジュノの物語にいわゆる「ワケがわかる」因果律を求めるのはナンセンスだ。そんな、因果律で予定調和な映画が観たいんだったらパラサイトは観に行かない方がいい。君の方に観る価値がない、なんて言ったら感じ悪いよね、でもそう思う。

あの加速する展開よ・・・前半はまだ「ワケがわかる」展開だが、3分の1を過ぎたあたりからの怒涛の展開よ・・・あれが新たな「スリル」の定義だよ・・天才かと思った。

それに、全てのカット、映り込む全てのディテールに込められた、メタファー・アイロニー・批判精神。パンクだ・・・・くそかっこよかった。全てが。

もう一回劇場で観ておこう。本当に、年始早々今年ベスト来た、と言っている映画ファンが散見されるが、激しく同意。すごいもの見たわ。最高。まじで興奮。これがあるから映画が好きだ。

殺人の追憶

大学でせっかく「映画論」履修したのに、ろくに出席せず脱落した。先生はあの名高い蓮實先生だったわけで、今わたしが大学生のわたしに何か一つだけアドバイスできるとしたら、「死んでも映画論だけは出ろ」だ。恋愛とかもうどうせ失敗するからどうだっていい。討死すればいい。そうじゃなくて映画論だけは出ろ。

で、講義の初めの方で蓮實先生が課題として出していた映画の一つにこの「殺人の追憶」があった。他にはガス・ヴァン・サントの「Elephant」など。

でも、あの18歳の時分で「殺人の追憶」を観て、わたしにその良さがわかっただろうか。

今なら「傑作だ・・・!」と思う。タランティーノが「韓国映画史上の最高傑作」と称賛したのもわかる。

何にも知らずに観ても、単純に面白い映画でもあるが、やはり、監督の企みを少しでも想像できた方がずっと面白い映画だと思う。そういう意味で、やっぱり18歳のわたしは、何も知らなかったのだと思う。

今観てよかった。傑作。

オクジャ

個人的に、ポン・ジュノ作品の中で、パラサイト、殺人の追憶についで三番目に好き。ティルダ・スウィントン、ジェイク・ギレンホール、ポール・ダノと、アートフィルムファンが口からダバダバ涎を流しそうなキャストが、全身全霊で狂っています。

土台のスポンジケーキはジブリなのに、社会派スリラー、ブラックユーモア、容赦ない畜産描写、スパイアクション、演者のマッドネスがふんだんにデコレーションされた結果、完璧なポン・ジュノ デコレーションケーキが出来上がっています。まじで最高。大好き。単純に大好き。手を叩いて歓迎したい映画。

グエムル

あの娘が連れ去られるシーンの美しさよ・・・力強さよ・・・ダイナミクスよ・・やっぱりこの人天才なんだと思う。

あと、ポン・ジュノで特筆すべきは食卓のシーンなんだよなー。あんなにブラックで壮大なエンターテイメントを作りながら、きちんと、韓国のフッツーの凡人の家庭とそのドラマを微細に描きこむことにも長けている。その表現の一つが食卓。うちの母の格言は「韓国人が作るもんにまずいもんはない」ですが、ポン・ジュノの映画の食いもんは、我ら東洋人に、西洋の映画には到底感じえない強烈な食欲を感じさせる。そういう、「生きる力」感がいいよね。サバイバル、って感じがいつも漂っている。彼の映画には。好きだ。

ほえる犬は噛まない

これもある意味で「食べる」シーンが強烈な映画。これ以降の作品に比べればややオフビートだが、シュールで、展開がクレイジーで、ダークでブラックユーモアに溢れている点ですでにポン・ジュノの才能がいかんなく発揮されている。

しかし・・鍋・・・鍋のシーンの衝撃な。何ならいい匂いしてきそうな描写なのが、また怖い。怖い怖い笑!!

ほんとに、韓国映画界って力があるよな。釜山映画祭とかもそうだし、日本とは比べ物にならないくらい国がきちんと支援しているとも聞く。ポン・ジュノのような監督が、あれよあれよという間にビッグ・バジェットの映画を作れるようになっていくのもすごい。日本では国際的な評価という意味では西川監督・是枝監督の二人はかなり高いけど二人ともビッグ・バジェットって感じはしないしね〜。是枝さんは最近フランスで撮ってたけど。あれ見た方がいいんかな〜。

今週の振り返りというか日記

まあわたしの話はどうでもいいと思いますけど、やっぱりね。このポン・ジュノの面白さに比較してのこの会社員生活の詰まらなさね・・・詰まるも詰まらないもね・・・こういう映画の話とか、友達とか同僚とか恋人とかとしたいんですけど、わたしが逃げちゃうんですよね、映画の話題からね・・というのも、話すからにはこのくらい話したいわけですよ。唾飛ばしながら。でも、この勢いで酒の席で喋られたら普通の人は引くじゃないですか。ねえ。たまにFBにレビューあげたりしてて、意外にみんな読んでくれてて、たまに声はかけてくれるんだけど。なんか、わたしががっつくレスポンスしたら「いやいやそこまでじゃない」みたいになるじゃないですか、ねえ。会話って難しいよね〜〜〜。会話って難しい。ほんとに喋ってて楽しい男の子が全然いないからもうこのまま独り身でいた方がいいよねって本気で思ってるわ。っていうかこのコーナーなんだっけ?何なんだろう。どうしたいのか自分でも定まっていないですけど、まあ与太話する場所が他にないのでここでやろうと思います。

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