見出し画像

清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : ボケ爺

中途半端な緊急事態宣言が出て、お客様は激減してしまいました。さあどうしましょうかね。スタッフさんたちにも「愚痴ばっかり言っていてもしょうがないから、何ができるか考えてみよう」とか言っておりますが、ほぼ思考停止状態が続いております。自分の場合、カフェめし屋をやっているということは仕事ではありますが、同時に趣味でもあります。生活がかかっていると言えばかかっておりますが、一応地元の自治体を早期退職して、半分楽しむためにやっているものです。だから楽しくなければやっている意味がない。ただスタッフさんを何人も雇ってやっているということを考えると、純粋に趣味という割り切りはできません。趣味なら、やりたくない時はやらなくてもいいはずですからね。

ただ諸々の支援策に関して、飲食は恵まれているほうだという気もします。しかし、それも規模が違えば焼け石に水の場合もありますから、一概には言えません。ウチの場合は、まあまあといったところでしょうか。少し時間が経ってからでないと分からない部分もありますし、資金的な支援策がのんびりしていては潰れてしまいます。タイミングの問題は大事です。日々プチ・イライラ状態ですが、あまり顔には出したくないし、出されても周囲は困るでしょうから、気をつけています。

元々事務作業のプロだったわけですが、ここにきて申請行為などの作業が続き、自分自身の衰えを感じながらこなしています。昔だったら当たり前にできたことが、なかなか進まない。時間もかかる。やらなければいけない作業の内容を理解できても、思うように体が動かない…という予想していなかったこともあります。老いというものは、気が付いたら随分進行しているというやつですか。

最近よーく分かるようになったことが一つあります。怒りっぽい爺さんってよくいますよね。…あれ。あれのメカニズムとでもいいましょうか、なるほど年取ると怒りっぽくなるわということが、自分自身のことも踏まえ、非常によく理解できるようになりました。要は自分が情けなくなるんだな。昔は当たり前にできたことができない自分、その情けない姿を晒してしまい、弁解の余地もないときに怒るしかないわけです。そこまでひどい状態でなくても、ちょっとしたアドバイスのような物言いが気に障るわけです。昔から怒りっぽい人もいるでしょうけど、昔はそうでもなかった人が怒りっぽくなるケースですね…。

自分の場合、怒りを含めた感情のコントロールは問題なくできていた方かと思います。「アンガーマネジメント」というやつですね。研修資料も目にしたことがありますが、とにかく6秒間深呼吸など、いろいろノウハウはあるようです。でも自分の場合、どちらかというと分裂気味にもう一人の自分が冷静さを保っていてくれるので、怒りをコントロールできているようです。実はわざと怒っているふりをして都合のいい方向に仕事を向けるようなことはしておりました。「NECの営業君、ゴメンナサイ」と今さらに言ってしまいますが、わざと怒鳴りつけて至急対応を迫ったりしていました。…嫌なヤツだね、ホント。

それでも年に一回くらいはマジで怒ることもありました。はなから諦めもつくようなヤツの理解不能な行動に対しては冷静に対処しておりましたが、期待を裏切られるようなあり得ない事態に対しては怒りましたね。まあ役所ってそういう事態が多いもので…。ただし、自分に対して怒るということはあまり無かったのですが、退職前の体調が悪かった時期にはそういうことも多くなってしまいました。そういう意味では、周囲に迷惑をかけていたでしょうから、早く辞めてよかったと思います。

加えて、最近は自分の情けなさに対して怒るかわりに、笑いにする術も身につけつつあります。何かヘンなことをやってしまってから「あ~恥ずかしい、ボケ爺やだねぇ」と自分で言ってしまえば、少々迷惑をかけてしまった場合でも笑って許されることが多くなります。笑いごとでは済まされない場合…、そこまではまだやらかしてないので分かりません。…多分。忘れているだけかも知れませんけど…、ボケ爺ですから。…ふふふ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?