見出し画像

FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 063:40年前の音楽シーン:1982年特集

さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第63回(2022年12月9日(金)20時~
(再放送:12月11日(日)19時~)

清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。

今週のお題は「40年前の音楽シーン:1982年」特集です。今から40年前のミュージック・シーンや流行、世相をご紹介して、時代の移ろいを感じてみようかという内容でした。全曲7インチ・シングルでいっぱいかけちゃいました。

1982年はCDのリリース開始や、フォークランド紛争、2月の惨事連発、つまりホテル・ニュー・ジャパン火災と日航350便の逆噴射墜落事故などいろいろあった年です。

1曲目
「Do You Believe In Love」Huey Lewis & The News (1982)

明るく楽しい80年代を象徴するように、国内盤シングルは鈴木英人さんのイラスト・ジャケになっておりました。この曲の空気感がいかにも1982年と思います。

ここで年表をご紹介ということで、2月28日、ゴルフの岡本綾子さん、米国ツアー初優勝。4月から6月にかけて、フォークランド紛争、アルゼンチン優勢かと思えば、いつの間にか形成逆転していた英国海軍恐るべしと申しております。5月8日、F1ベルギー・グランプリで、ジル・ヴィルニーヴが事故死。6月6日、イスラエルがレバノン侵攻。いつの時代にもどこどこ侵攻とかいった話題があることが悲しいです。6月にはロッキード事件全日空ルート、実刑判決、それからIBM産業スパイ事件なんてのもありました。

10月1日には、ソニーが世界初CDプレイヤー発売、同時にCDソフトも50タイトル発売、どこのお店に行っても、松田聖子と大瀧詠一のCDが試聴できて、ノイズがないのにビックリしました。9月14日には、モナコ公国のグレース・ケリー公妃、自動車事故死。10月19日、バック・トゥ・ザ・フューチャーのタイムマシン、デロリアンが倒産。11月にソヴィエト連邦のブレジネフ書記長が心臓発作で亡くなられております。

2曲目
「I Love Rock ‘n Roll」Joan Jett & The Blackhearts (1981)

アッパーな曲ばかりと申しておりますが、年間チャート3位の大ヒットです。

さらに時代背景として、インフラ整備の結実をとりあげ、東北新幹線、上越新幹線の開業、中央自動車道全線開通、そして各地でFM局が順次開局、その一方で夕張炭鉱の閉山もアリ新旧交代が顕著と申しております。

また国産車はボーイズ・レーサーなどが面白いということで、前年11月発売のホンダ・シティの大流行、三菱トレディア/コルディアやトヨタ・カローラⅡ、日産はミニバンのはしりとなりプレーリーや、小型車の代表マーチなども出た年です。

3曲目
「Who Can It Be Now?」Men At Work (1982)

かなり自虐的なオーストラリアの連中です。コミカルで好きだったと申しております。何はともあれ明るい時代、お笑いブームもこの辺からということで、81年の「オレたちひょうきん族」、82年は「笑っていいとも」がスタートし、これも一つの時代の空気感と思われます。

4曲目
「We Got The Beat」GO-GO’s (1982)

年間チャート25位、アルバム・チャートでは2位まで行った大ヒットです。

5曲目
「Physical」Olivia Newton-John (1982)

この年の年間ナンバー・ワンは先般亡くなられたオリビアでした。如何せん10週連続1位です。間奏部分のギターはTOTOのスティーヴ・ルカサーです。

82年はアイドルの当たり年と言われています。82年組などという言い方もします。中森明菜、小泉今日子、早見優、松本伊代、石川秀美、堀ちえみ、そして男性はシブがき隊といったところです。この年のレコ大最優秀新人賞はシブがき隊「100% Soかもね」、レコード大賞はあみんの「待つわ」でした。

6曲目
「Waiting For A Girl Like You」Foreigner (1982)

「フィジカル」に抑えられて10週連続2位という珍記録を打ち立てたフォリナーです。9週がオリヴィアが1位、最後の10週目はホール&オーツの「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」が1位になっちゃうんです。お気の毒様です。年間シングル・チャートは19位、アルバム・チャートでは堂々3位の名曲です。この年の12月にはマイケル・ジャクソン「スリラー」が発売になるわけで、モンスター級のアルバムが発売になった時代でもあります。

7曲目
「Eye Of The Tiger」Survivor (1982)

映画からのモンスター・ヒットは「ロッキー3」のサントラから出ました。バンド名の由来等も解説しながら聴きました。

8曲目
「Harden My Heart」Quarterflash (1982)

シングル・チャート13位、アルバム・チャート20位、もう少し上かと思いました。やっぱり凄いヒットが多い年なんでしょうか。この曲のヴィデオがつまらないんです。

9曲目
「Working For The Weekend」Loverboy (1982)

元気印を2曲続けてということで、邦題「それ行け、ウィークエンド」はアカン邦題の代表ですかね。シングル・チャート96位、アルバム・チャート7位です。

10曲目
「Centerfold」J. Geils Band (1982)

J・ガイルズ・バンドのほうはシングル・チャートもアルバム・チャートも5位なんです。大ヒットでした。

この時代は、もうカセットでコンピレーションを作って、カーステレオで聴くとかいったスタイルでしょうか。クリスタルの翌年、景気が上向き、本当に楽しい時代でした。本のベストセラーは黒柳徹子さんの「窓際のトットちゃん」、アナウンサーの鈴木健二さん「気配りのすすめ」、人気ありました。穂積隆信「積木くずし」、家庭崩壊のノンフィクションですね。それから森村誠一「悪魔の飽食」、村上春樹は「羊をめぐる冒険」が野間文芸新人奨励賞を受賞した年、高山が村上春樹を読み始めた年です。ファッションはミニスカートにレッグ・ウォーマーが流行、「フィジカル」の影響でしょうか。

11曲目
「Private Eyes」Daryl Hall & John Oates (1982)

高山的に1982年といえば、コレです。シングル・チャート44位、アルバム・チャート16位でした。

12曲目
「Ebony And Ivory」Paul McCartney & Stevie Wonder (1982)

この時代、超大物どうしのコラボが続きました。男女のデュエットものもありましたし、ポール・マッカートニーとマイケル・ジャクソンとか、凄いのがいくつかありました。その一つ、年間シングル・チャート4位の大ヒットでした。

13曲目
「Heart Of The Moment」Asia (1982)

ラストは年間シングル・チャート4位のこれ、「産業ロックの好きなヤツを」というリクエストもいただいておりました。やはり時代を象徴する音です。


次回は「50年前の音楽シーン:1972年」特集です。お楽しみに。
番組へのご意見やお便りをください。
voice@fm840.jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?