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7インチ盤専門店雑記630「ハンプトン・ホーズはお好き?2」

ハンプトン・ホーズを有名盤だけで評価すると誤ってしまう気がします。ジャズは一生勉強中かもしれませんが、まだあまり多く聴いていなかった時期に、全く予備知識もなく、購入した盤で思い切り考えをあらためさせられることがありました。ハンプトン・ホーズに関しては、有名な初期のトリオもいいのですが、他のアルバムの方に自分好みのものがあるようで、いろいろ試してみる面白さを教わりました。

「Spanish Steps」という1968年の音源は、少し経ってからリリースされたようですが、手元にある盤は没後に再発されたことがオビの文言から知れます。コレは2000年代に東陽町のダウンタウンレコードで入手したものですが、店主が「Sonora」というワルツをオススメしており、全く知らない曲だったので、気になってしまったんです。そしてコレが個人的にはハンプトン・ホーズの最高の一曲となってしまいました。

諸々の文献にあたっても、詳しいことは知れず仕舞いですが、好きなものは好きというヤツです。他の同曲の演奏が気に入らなかった方のコメントがウェブ上にあったのですが、たまたま調子が良い日だったということなのでしょうか。ワールド・ツアーの合間にパリで録音された音源ですが、パリ・オリンピック開催中ですし、今聴くにはいいかも、といったところです。

またハンプトン・ホーズに関して、お気に入りの盤は、ヘッダー写真の「Live In Montreux '71」もあります。71年のモントルー・ジャズ・フェスの期間中にカジノで録音された音源ですが、ベースはHenry Franklin、ドラムスはMike Carvin、…よく知らないメンツです。ところがA面を1曲で占めるバカラック・ナンバー「This Guy’s In Love, With You」がいいんです。オマケにこれ、スペインのフレッシュ・サウンドからリリースされています。ジャズをアナログで聴くということは、最初から諦め半分だったのですが、90年代にリーズナブルなお値段で、しかもオーディオ的にも楽しめる盤がいくつか入手できて嬉しかったうちの一枚です。

もう一枚、フレッシュ・サウンドからリリースされたハンプトン・ホーズがあります。どうもテレビに出演した時の音源らしいのですが、ソニー・クリスやハリー・スウィーツ・エディソンやら何気に豪華なメンツでやっております。1970年にメモリー・レーンというL.A.のハコで収録されております。

この盤で気になるのが、ジャケットに写っていないのに、「SPECIAL GUEST : JOE TURNER」と書かれていることです。ジョー・ターナー、あのビッグ・ジョー・ターナーですね。

確かに大きそうですね。130kg超とか言われておりますが、身長は私とあまりかわりません。シャウト・ブルースのビッグ・ジョーが出てきましたか。彼の代表曲がB-1に収録されていますが、「シェイク・ラトル・アンド・ロール」はジャズ好きよりロック好きの方が馴染のある曲かもしれませんね。邪道かもしれませんが、そんなわけで、大好きな一枚です。

いやはや、フレッシュ・サウンドは侮れませんよ。

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