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清澄白河カフェのキッチンから見る風景 :難しい判断2

毎度毎度、「やめときゃいいのに」と思うわりに、毎回繰り返すんですけど、学ばないですよね…。翌日収録だというのに、詰めてきたラジオ番組の選曲を変更したくなってしまうんです。月曜火曜日は店の夜営業がないので、収録は月曜か火曜日が多いわけです。そうすると直前の日曜日が最終チェックとなります。定休日ですがそれなりにやることはありまして、仕込みやら買い出しやらの合間にやっておりますけどね…。ラジオの準備の合間に仕込みかな…。

まあ、拘る性質と申しましょうか、納得いくまで詰めないと落ち着かないんですよ、これが。最悪スタジオ入りしてから曲変更したことも何度かあります。まあ、今回はもうセットリスト送付済みで、そこから変更する気はないんですけどね。それでも、昨日の業後から二転三転した部分もありまして…。正直なところ、脳みそヘトヘト状態です。変更した場合はラフ原稿を一度読み直します。ラフ原稿はだいたい1回分5000文字程度をA4の紙7~8枚に打ち出します。該当箇所を書き直しただけで済まされる場合はほぼありません。辻褄が合わないことは少ないとしても、流れが悪いとかで再度曲順を入れ替えたり、尺取りから見直したり、当然ながらアナログ盤で鳴らす番組ですから盤質のチェックもして、最終的にふきふきふきふきして…、ホント「やめときゃいいのに」と思います。

だいたい58分程度の番組ですから、曲の尺のトータルが49分から50分程度になるように持っていけば、自分の喋りの量に合うことになります。あまり喋りたくない回は曲のトータルが51分とか52分程度、たまにある多めに喋りたいときは47~48分程度に持っていきます。ゲストさんがいらっしゃる回は喋りすぎるのが通例ですから、35~40分程度に収まるように選曲します。でもね、思うように行かないものなんです、ホント。

やはり、「やめときゃいいのに」と思っても、またそう言われても、やめない理由を考えますよね。「何でだ?」と考えたら、やはり「少しでもクオリティの高い内容にしたいから」とか、最終的に「楽しいから」とかいった理由が脳内を支配してしまうんですね。

ちなみに、リクエストもいただくことだってあるんですけど、曲のリクエストに関しては、何カ月かに一回程度のリクエスト特集でまとめて対応するか、スルーかということになります。「盤がないから」という理由でかけられないことはほとんどありません。「もうかけてしまったから」は時々あります。スルーするのは、「番組のテイストに合わないから」とか、「ウチの番組でかけなくても…」といった場合です。

問題は企画のリクエストの方でして、「誰々の特集やってよ」といった場合はやり易い方です。代表曲をかけてしまっているアーティストは難しいですけどね。「リフがカッコイイ曲特集」とか「ギターソロがかっこいい曲特集」とかもアウトです。最近「ツイン・ドラムの曲特集」というリクエストもいただいているのですが、…アウトですね。「カッコイイですね」で喋りが終わってしまいますからね。「…もツイン・ドラムですね、…もツイン・ドラムですね」というのも、リスナー・サイドにしてみれば「だから何?」ということになり兼ねません。ストーリーが作れないんです。メンバー紹介や収録アルバムの紹介で時間を割いても、おそらく面白い内容にはなりませんからね。

音声メディアの番組を作るのって、やはり簡単な作業ではありません。どういう人が聴いているかは想像の域を出ませんから、コメントなどをいただける方々の顔を思い浮かべながら、企画を練るわけです。一時間弱、興味を維持していただくように工夫しないと、フィラーとかいう番組がないときに垂れ流しで曲だけかけているのと同じか、下手な喋りが挟まる分フィラー以下の価値しかないものになります。「一時間弱の作品を作る」くらいの意識レベルでやらないと、局に迷惑をかけることになります。100%自分の好みの音源をかけているだけでは番組になりません。でも好きでもない曲をおススメする気もありません。やはり、喋りの内容も吟味しつつ、それなりに面白い曲をかけてという、バランスも大事になるわけで、やはり難しい判断の繰り返しです…ね。

9月末で丸2年が経とうとしています。終わりが見えてきましたから、そろそろ喋りの内容よりも自分の好みの音源をかける方にウェイトが傾き始めることになりそうです。既に提示されているお題もあって、自分の好きな曲をかけられる回は指折り数えられるほど、…さあ楽しまなくっちゃ。

後記:ライナーのミスプリに気がついてしまい、前日のうちに一曲削除、曲順見直しとなってしまいました。


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