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7インチ盤専門店雑記084「ラヴ・チェンジズ(ボブ・クリアマウンテン・ミックス)」

ラジオ番組の関係で、「80sの空気感」というものを探究しております。10年分の年間トップ100ヒットだけでも1000曲あるわけで、それなりに分類しながら絞り込まないといけません。ただそれでも、いかにも80s的な曲とそうでないものはあるわけで、まずそういった感覚的な選別で3分の2程度は落とせそうです。

日本国内は空前の好景気でバブル崩壊に向かってまっしぐらの時期です。コカ・コーラのCMのように、何もなくても笑っていた時代です。そんな空気感、聴くと楽しくなってしまうような曲を求めているわけです。ラヴ・ソングってハッピーなものばかりではないので、失恋ソングは除外できるかもと思いがちですが、この時代の失恋ソングは「よーし、次行ってみよー」みたいなポジティブ・シンキングが溢れていたりします。簡単ではありません。そこが恨み節みたいな空気感を持つ60s70sとの大きな違いではないでしょうか。そんなことを考えていると、何だか200曲程度まで絞れた気になります。

次に音です。12インチ・シングルがブームのように売れた時期でもあります。そんなリスニング環境ですから、音圧高めのリミックスが人気でした。アーサー・ベイカー・ミックスなんて言われると、聴く前からメリハリのきいた、バンギング・ドラムが聴こえてきそうです。そして、ボブ・クリアマウンテン。よく目にした名前ではないでしょうか。エッジが立っているのはスティーヴ・リリーホワイトでしょうか。

マイケル・ジャクソンとマドンナは別格ですよね。他には、ホール&オーツだったり、フィル・コリンズやピーター・ゲイブリエルといったジェネシス組だったり、ホワイトスネイクやらエイジアやフォリナーといったロック寄りの連中だったりです。もう少しポップ寄りだと、ワム!やヒューイ・ルイス、メン・アット・ワークとかですかね。…男性ばかりですね。

女性だと、シャーデーやマット・ビアンコ系のバーシアみたいにコジャレタ人ですかね。王道ポップでは、シンディ・ローパーでしょうか、スウィング・アウト・シスターあたりでしょうか。Go-Go'sもいいですね。オリビアは80sテイストが薄い気がする。他にはキム・カーンズやクオーターフラッシュといったあたりもいいですね。

うーん、でも何か違う。これらのアーティストは80年代にヒットした人たちですけど、自分が思う80sの空気感を纏っていると思う音ではないんだな…。ああ、でもこうやって名前を並べてみると、こういった人たちの特集、つまり「80sヒット・男性編」「80sヒット・女性編」も近いうちにやりたいですねぇ…。でも今アタマの中にあるのはなんか違うんだな…。シンセ・ポップとかで、もう少し軽くて、踊り出したくなるような80sの空気感を持った連中っていますよね。ティアーズ・フォー・フィアーズは少し重いけど、A-HAとか、ヘッダー写真のクライミー・フィッシャーとかですかね。やっぱり、そっちだな、80sの空気感と言えるのは…。

まあ、本当に80sの空気感を持った楽曲は映画のサントラに入っているのかもしれませんけどね。やっぱり、絞り込むのは骨が折れますね。ああ、そうだった、他の番組でかからない曲をできるだけかけると考えれば、ヒットにも拘る必要がないわけで。思い切り捻くれて選曲するのもありかもしれませんね…。売れなかったシンセ・ポップって、…思い切りダサいかも。


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