7インチ盤専門店雑記436「見失っていたCD(1)」
年末年始のお休みがいつもより長かったので、少し自宅の片付けをしました。ずっと懸案だったもので、思い切りスッキリしました。とりわけ、探していた物が見つかったことが嬉しいんです。物が多すぎるのは重々承知のうえ、自宅の中にはあちこちに作業中のCDの山などがありまして、お恥ずかしい次第ですが、普段生活している空間にあって視界に入っているものが何年も探していたものだったりします。お店を始めてからは忙しさが加速してしまい、コロナ禍で外出自粛の頃でも、できることは何かと自問自答しながらいろいろ作業をしまくっていたもので、スルーしてしまったんです。
とにかくこの5年ほど、探し続けていた盤がまとまって見つかりました。自分の中で脳ミソの一部分が5年前で止まっていたような感覚です。少しご紹介しておこうかと思います。何はともあれ、カフェのBGMに向いているだろうと思われる女性ヴォーカルものなどが、ごそっと出てきました。カフェを始めた2015年頃、よく流していたあたりです。
ノラ・ジョーンズはフツーにどのアルバムもカフェのBGMには向いているでしょう。可能な限りアナログで購入しておりますし、CDも買っておりました。加えてレア音源もしっかりチェックしておりましたから、CDシングルも可能な限り見つけ出して買っておりました。さほどレア音源が多い人ではありませんし、コロナ禍以降、ホーム・デモ的な動画が大量にYouTubeに載っておりますから、その辺の使命は終了したかもと思います。まあハズレの少ない人ですし、今でもよく聴きますからね。
マデリン・ペルーもカフェではよく流します。大好きな歌声ですし、すべてのアルバムがハイ・クオリティです。流石に昨今はアナログ盤もフツーにリリースしてくれますが、シーンに登場してきた時期が時期ですから、初期の盤はMoFi等の高音質重量盤で買う羽目になりました。それでもベスト盤などを流しっ放しにしていても快適なので重宝しておりました。
レベッカ・マーティンも全音源チェックしていたアーティストです。この人も声が好きなのですが、ご本人はギタリストとしての自負もおありのようで、アルバム制作の方針が徐々に好みからズレてきているような気もしますが、この辺の盤は大好きでした。特に「Lead Us」という曲の浮遊感に満ちた独特のコード進行やメロディは大好きです。
ベッカ・スティーヴンスも声ですね。この方、最近はブラッド・メルドーあたりにもフィーチャーされていたりもしますから、人気は出たというか定着したのだろうと思いますが、ピアノのテイラー・アイグスティ関連ということで聴き始め、コロナ前まではよく聴いておりました。BGM向きの音源ではないかもしれませんが、好きでしたねぇ。
サッシャ・ドブソンはジェシー・ハリスと一緒に来日したあたりからチェックして聴き始めた人です。やはりカフェのBGMとしては最高の部類です。ヴォーカルの個性はない方かもしれませんが、反対に気を引くところがあります。お客さまから随分「これ、誰ですか?」と尋ねられたような記憶があります。後にノラ・ジョーンズと一緒にプスン・ブーツを結成して注目はされたと思いますが、先取りしておりましたねぇ…。
思うにこれらのCDでコンピレーションでも作っていたんですかね。作業中に中断してしまうと5年とかフツーに放置してしまうのもいかがなものかとは思いますが、せっかく出てきましたから、またしばらくはこの辺の音源をお店で流してみますかね。…新しい古いはあまり関係ないあたりですからね。
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