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7インチ盤専門店雑記160「スティーヴ・クロッパー」

職人的なギタリスト、スティーヴ・クロッパーです。あまりに参加盤の数が多すぎて、全容などは把握できるわけないでしょといった人です。裏方的性格なのか、他人のバックアップばかりで名盤を量産してきた人生ですが、ご本人名義のアルバムも侮れません。昨年「Fire It Up」が出たときは嬉しかったですねぇ。あれも個人的には大名盤です。

彼の代表作は何かという話題は避けたいところです。とても決められません。今日これを書くにあたって、ヘッダー写真を何にするか迷ったのですが、とりあえず1981年の「Playin' My Thang」にしました。でもこれが最高の1枚というつもりはありません。ブルース・ブラザースと時期が近いソロというだけで引っ張り出してきました。もちろん大好きな盤です。この盤を聴くと、やはりブルース・ブラザースを思い出します。そういう音です。「アンタの音だったんか」と突っ込みたくなります。

しかも純粋にテレキャスターが似合う人です。要はカッティングで名演をたくさん残しておりますからね。ドナルド・ダック・ダンとのコンビに関しては、もうあえて申し上げるまでもございません。相性もよかったのでしょう。人脈に関しても、The Mar-Keysまで遡ったりすると、ビックリしてしまいます。ドン・ニックスの名前まで出てきます。どういった環境で育ったのやら。よほど音楽を愛する家庭環境やら、ティーンエイジャーの頃に音楽を語り合える友人が多くいたのでしょう。正直なところ、上手い下手ではない何か特別なものを感じてしまいます。

彼が参加したアルバムで好きなものを挙げてみますかね…。さあ、たいへんだ。まずはご本人名義やらコラボやらでは、「Nudge It Up A Notch」(2008  / with Felix Cavaliere)が大好きでして、それから昨年の「Fire It Up」も最高でした。もちろん「Playin' My Thang」は大好きなアルバムです。この盤はギター・プレイに加え、曲が粒揃いだと思います。

Booker T. & The MGsの「Green Onion」(1962)は忘れないうちに挙げておきますかね。オーティス・レディングに関しては7作に参加しておりますから、もう全部ですね。ロッド・スチュワートの「Atlantic Crossing」(1975)「A Night On The Town」(1976)「Foot Loose & Fancy Free」(1977)あたりは定番でしょうか。リンゴ・スターの「Ringo」(1973)や「Goodnight Vienna」(1974)も大好きなアルバムです。デラニー&ボニーの「Home」(1968)や「D&B Together」(1972)にも参加してますね。

レオン・ラッセルの「Will O' The Wisp」(1975)、アート・ガーファンクルの「Breakaway」(1975)、ジョン・レノンの「ロックンロール」(1975)といった、70年代の名盤中の名盤にも参加しております。もちろんこれはStax関連以外のはなしでして、他にもアル・クーパーやレオ・セイヤ―やウェンディ・ウォルドマンなどなど、いろいろありますが、もういいですね。渋めが多いものの、凄いラインナップです。まさしく、通好みの職人です。







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