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7インチ盤専門店雑記233「楽しみ方はいろいろ」

さらに昨日の続きみたいになりますが、マト「1-A-1」、7インチ盤では結構フツーにあります。見本盤だからということではなく、あまり多くプレスされていないであろう曲のものは、容易に「1-A-1」が手に入ります。高音質を楽しむという意味でのオーディオ趣味の中では、イチバン安上がりの楽しみ方かもしれません。

聴き比べは楽しいものです。…傍迷惑なのでお一人でというのは繰り返し書いております。傍から見ると危ないです。同じ曲を繰り返し聴いている様は脳がバグっているように見えます。一人で同じ曲を繰り返し聴いてブツブツ言っているのも、じゅうぶん危ないんですけどね。気になるのは漏れ聞こえている音ですね。ご近所さんから、ジンジャーのオーナーはおかしくなったとか思われていないかな…。ま、元々ヘンなヤツでしょうから、いいんですけど…。お隣りの床屋さんは、回覧板とか持ってきても、怖い人に会ったみたいに急いで逃げ帰って行くし、さらにそのお隣さんは、選挙のときしかこないし…。これは関係ないか…。

えー、グレッグ・レイクです。「セ・ラ・ヴィ」です。アルバム「ELP四部作 Works Volume 1」収録曲です。アルバムでは案外いい音で鳴る曲でして、他の収録曲と比べてもひと際リアルな鳴りを聴かせます。あのアコギの音が好きかと言われると微妙ですが、弦の擦れる音とかが妙にリアルです。あれの、7インチ・シングルの見本盤マト「1-A-1」です。どんな鳴りか期待してしまうではありませんか…。でもない?ところが、こいつはあきまへん。LPとバランスが違っており、アコギが思い切り引っ込んでおります。遠いところで弾いているようなバランスです。

白レーベルの見本盤です
マト「1-A-1」

しかし、この盤、何が面白いかって、B面がなんと「Jeremy Bender」なんです。そう、あのブタ鼻「タルカス」のB面1曲目に収録された愛すべき小品です。「タルカス」からのシングル・カットは「Stones Of Years」のみかと思っていたんですけどね。…少なくともWikipediaなどではそうなっております。でも、「ジェレミー・ベンダー」の7インチ盤がどこぞに存在するような気がしていたんです。…こんなところにあったんですね。

しかも、この曲、1分45秒しかありません。外周寄りだけ使って高音質にするのではなく、溝にゆとりを持たせております。ぱっと見、12インチ・シングルのような溝の太さです。この溝の刻み方、オーディオ趣味的に気になる盤ではありませんか。

アルバム「ELP四部作 Works Volume 1」に話を戻しますが、このアルバム、個人的にはかなり好きな方です。もちろん3人が一緒にやっているサイドの、「庶民のファンファーレ」と「パイレーツ」が好きなんですけどね。この2曲、ELPの中では五指に入れるほどに高く評価しています。世間の評判はそれほどよくないんですかね?あまり好きという方を見かけません。ご本人たちはライヴで必ず取り上げていたので、お好きなんでしょう。まあ壮大な曲です。しかもこのアルバムのアナログ盤、その点を損なわない、実にいい鳴りです。とにかく低音がしっかり出ておりますし、空間的な音の広がりも文句無しですからね。

ただねぇ、「庶民のファンファーレ」はシングル・カットもされましたけど、こちらも全く評価できません。編集し過ぎ、縮め過ぎやろというヤツです。先日売れてしまったのですが、お買い上げになったお客さん、怒ってないかなぁと心配になってしまうほどです。私が悪いんじゃないですけどね…。まあ、どういう理由で7インチ・シングルをお買い上げか存じ上げませんが、アナログ盤、特に7インチ盤の楽しみ方はいろいろあります。オーディオ的にも音圧高めで楽しめますし、当該アーティストのファンなら持っていたいという、所有欲を満たすというものでもあります。7インチ盤、案外楽しい世界ですよ。


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