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7インチ盤専門店雑記158「太陽への旅路」

The Stills = Young Bandの「太陽への旅路 Long May You Run」です。タイトル曲はカントリー・ロック系の人々には結構人気があり、あちこちで歌われています。ヴァンクーヴァ―・オリンピックの閉会式でも歌われておりました。オリジナルを調べたら、ニール・ヤングとなっているわけですが、「どのアルバムに入ってたっけ?」となりまして、さらにいろいろあたってみて、ようやく「ああ、これか」と辿り着いた盤でした。

割と昔から所有していたものの、ほとんど聴いてない盤でした。しかも私個人的には、ニール・ヤングよりも、スティーヴン・スティルスの方が優先するもので、レコード・ラックのスティルスの位置に置かれておりまして、スティーヴン・スティルスの参加アルバムの中では最も聴かない一枚となっていたというわけです。…要はあまり好きではないわけです。CSNY,ひっついたりはなれたり、人間関係に難ありの連中ですからね…。

1976年リリースです。アメリカ建国200年祭の年です。宇宙開発やらを活発にやっていた時期ですが、結局のところ、古きよきアメリカを好む連中は後ろ向きになっており、ヴェトナムの後遺症と正面から向き合えない、実に悲しい状態だったアメリカの、置き土産的なアルバム群の一枚といった解釈です。お好きな方は結構いらっしゃるのかもしれませんが、自分はダメでした。

翌年、ニール・ヤングが「アメリカン・スターズン・バーズ」をリリースし、そこに収録されていた「ライク・ア・ハリケーン」が結構好きでした。でもこれもファースト・シングルではなく、日本での認知度は低かったように思われます。なんせパンクの嵐が吹き荒れていましたし、一方でボストンやらの新興勢力が台頭し、1976年12月にはイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」がリリースされまして、大ヒットとなりました。「CSNYはもう古い」という認識が定着しておりました。…私の周辺だけかもしれませんが、確かにそういう空気感はありました。

カントリー・ロックの名盤はいっぱいリリースされた時期です。サウザー・ヒルマン・ヒューレイ・バンドの2枚も結構好きでしたから、自分はまだしっかりアメリカンなものも聴いていたんです。この後、しばらく距離をおくことになってしまいますけどね。その間、まともに買って聴いたのは、リンダ・ロンシュタットとジョー・ウォルシュくらいですかね。

まあ、80年代に入って個人的には揺り戻しがきてしまい、この辺も含め、重要と思われるアルバムは遅ればせながら買い集めましたけどね。そんな事情も手伝って、レコード・ラックにはしっかり揃っているものの、あまり聴かない一連のアルバムの中の一枚なんです。

ただねぇ、ネットが普及して、YouTubeなんぞが信じられない量の古い音源をアップしてくれているおかげで、いろいろ楽しめておりますから、2011年以降は、またこの辺も含め、結構聴いていたりするんです。そんな中で、エミル―・ハリスのライヴ音源などでこの曲を聴き、懐かしいやら「なんだっけ、コレ?」的な複雑な感情とともに、再認識し、あらためて聴いていたりしております。他人様にはおススメしないあたりです。

今の時代、ちょいと検索すれば、簡単に情報は得られますから、昔の記憶が随分整理されました。おかげ様で、何故距離を置いていたかもしっかり思い出せたりして、サブカル近現代史の研究の一助となっております。今更に「ああ、歌詞がいいんだね」と思った次第です。





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