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7インチ盤専門店雑記022「やさしくしてね」

「やさしくしてね Don't Just Stand There」パティ・デューク Patty Duke (1965)

「奇跡の人」のデビュー・シングルですね。と言っても、この方、歌手が本業ではありません。女優さんですね。ニュー・ヨーク出身で、1950年代から子役としてソープオペラやCMに出演していたそうです。1959年からブロードウェイで「奇跡の人」に出演し、2年間ヘレン・ケラー役をまっとうします。1962年に「奇跡の人」が映画化された際も、ヘレン・ケラーを演じ、アカデミー賞の助演女優賞を受賞してしまうんですね。1946年生まれなので、まだ16歳かそこらですよね。凄いです。奇跡の人って、原題は「The Miracle Worker」といいまして、要はヘレン・ケラーの面倒をみたサリバン先生の方が主役なんですね。なるほど、だから助演女優賞なんですね。

1979年にリメイク版「奇跡の人」がつくられた際、パティ・デュークはサリバン先生役で出演しているんですね。もうヘレン・ケラーの人生に思い切り影響を受けた人生を歩んでいらっしゃるわけですな。

さて、女優としては、さほど有名ではないような気がしましたが、映画が中心ではないようですね。テレビでは「パティ・デューク・ショー」がありますからね。これ、なんでか記憶の片隅にあるんです。だからこのシングルを見たときも、「この人知ってる」が第一印象でした。

米国ABC放送で1963年から1966年まで、日本ではTBSで1964年から1966年まで放送されていたようです。本編を観ているとも思えないので、再放送でもやっていたんですかね?日本でもそれなりに人気を博して、来日もしたようですね。

この「パティ・デューク・ショー」、何が面白いって、脚本をすべてシドニー・シェルダンが書いているんです。「真夜中は別の顔」や「ゲームの達人」とかを書いた小説家さんですね。「ゲームの達人」は1982年の作品ですが、アメリカでも日本でもドラマ化されて、大ヒットになりましたね。日本では2000年頃だったと思います。中谷美紀さん主演でしたね。

パティ・デュークの7インチ・シングル盤、懐かしいというのともちょっと違うのですが、妙に脳みそに刺激を与えてくれる一枚だったりするんです。見るたびに、何でかそわそわしてしまうんですけど、理由は分かりません。幼少期のトラウマでも潜んでいるんですかね?そういえば、以前、年刻みのトークイベントをやっていたとき、「思い出したくないことまで思い出してしまった」と言って、突然怒り出した方がいらっしゃいましたね…。音楽は記憶とリンクしてますからねぇ。


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