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7インチ盤専門店雑記184「ラリー・グレナディア」

昨日のレベッカ・マーティンのところでもご紹介したラリー・グレナディアです。ブラッド・メルドーと一緒にやっているベーシストというのが最も通りがいいでしょう。奥方のバックアップもしっかりやっておりますが、売れている枚数が違うでしょうからね。

それにしてもブラッド・メルドーには気に入られてますね。四半世紀以上となりますか。テクニックひけらかしというわけでなし、堅実なベーシストがお好みなんでしょうか。…そのわりに結構尖がったことをやっていますけどね。まあ現代を代表するピアノ・トリオといえばこの連中でしょう。破綻がなく、安心して聴けることの価値というのは、案外評価されないというか、見逃されがちなよさです。レベッカ・マーティンのライヴのとき、数メートルの距離でしっかり演奏を目に焼き付けてきましたが、予想通りの人でした。パット・メセニーのバック・アップでも何等変わりません。…いいですね。

ただ、一枚だけ、2019年に自分のアルバムを作っているんですけど、なんとベース・ソロでした。ECMにはときどきありますな。…私、ベース・ソロはちょいと苦手です。ポール・チェンバース、ダグ・ワトキンス、クリスチャン・マクブライド、ロン・カーター、スタンリー・クラーク、マーカス・ミラーといったベーシストのリーダー・アルバムは好きなんですけどね…。ソロはどうも…。

それから、90年代のブラッド・メルドーの「The Art of The Trio」シリーズが大好きなので、自分の中には、「最近の盤は惰性で聴いているのではないか?」と詰問するもう一人の自分がおりまして、最近の盤に関しての評価が厳しくなりがちです。結局ブラッド・メルドーのアルバムでも、ラリー・グレナディアが参加していてない盤にはもっと厳しいわけで、かなり贔屓目にこの御仁のプレイは聴いております。まあ、なんだかんだ言って好きなんですけどね。


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