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清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : 「マギー・メイ」のシングル盤

1970年代のロッド・スチュワートが大好きです。特にフェイセズとしてやっていた頃の音源が滅法いいんです。ロン・ウッドの図太いギターの音も好きですし、ロニー・レインの牧歌的な空気感を纏ったヘタウマのような声もいい味を付け加えます。関連音源まで含めるとアルバム100枚程度になるでしょうか。それでも、クレジット・オタクのようなものですから、いろいろ調べて集めておりまして、もうコンプリートかなと思ってはいるのですが、これはエクスキューズが必要なコンプリートなんです。

実はアルバムではもうずっと前に出尽くしたかなという感触なのですが、シングル盤がいけません。70年代前半のシングル盤は、コレクターズ・アイテムとでも言うべき扱われ方で、中古盤店でもほとんど見かけません。存在するのだろうかと不安になるほど、玉数も少ないようですが、情報も少ないんです。ウェブ上のWikipediaの情報ですら、かなりいい加減です。少なくとも自分の手元にはWikiに載っていない盤が2枚あります。これも他にあまり見かけないのでレア盤なのでしょうが、どうしてこんなことになっているんですかね?世界的に人気がある人ではないですか?みんなアルバムを買ってしまうからシングル盤は売れなかったとでもいうことなのでしょうか?

とにかく大人気曲「マギー・メイ」ですが、海外ではティム・ハーディンのカヴァー「リーズン・トゥ・ビリーヴ」のB面曲でしたが、ラジオ局のDJさんたちがB面の方が気に入ってしまい、かけまくった結果、こちらが英米でNo.1になったという曰く付きの一曲ですね。これが日本にくると、なぜかアルバムのタイトル・チューン「エヴリ・ピクチャー Every Picture Tells A Story」のB面となっているわけです。Wikipediaなどを見る限り、国内も「リーズン・トゥ・ビリーヴ」のB面ということになっているのですが、実は見かけたことがなくて、ずっと探しておりましたが、…これ多分存在しないのではないか、と…。ちなみに国内盤では「リーズン・トゥ・ビリーヴ」は「アイム・ルージング・ユー (I Know) I’m Losing You」のB面に収録されております。

さて、もう一つ、「スリー・タイム・ルーザー」という曲もWikipediaではシングルとされてはいません。名盤「アトランティック・クロッシング」収録曲ですが、このシングルのB面は大ヒットした「セイリング」です。世の中に大量に出回っている「セイリング」のシングルはB面が「スリー・タイム・ルーザー」つまりA面とB面を入れ替えたなと。「セイリング」が大ヒットしたから入れ替えたのかな?と考えるわけです。だって中古盤屋さんだと「セイリング」は普通にお安く手に入るんですけど、「スリー・タイム・ルーザー」は滅多に見かけません。…B面が「セイリング」にも関わらず、ですからね。

国民性とかもありますから、少しはその国で何をシングル・カットするか、現地のレコード会社側に裁量権限があったんでしょうかね?まあ、人気のあるロックン・ローラーですから、「こんなバラード、売れねえよ」と思いましたかね?当時の担当者も、何十年も経ってから、こんなこと蒸し返されたくないでしょうね。でも、7インチ盤専門店をやっている身としては、この辺、ハッキリして欲しいんですよね。Wikipedia に正確な情報を書き込むくらいしてもいいのではないでしょうか、マジで。

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