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7インチ盤専門店雑記034「1963年12月(あのすばらしき夜)」

「1963年12月(あのすばらしき夜)December, 1963 (Oh, What A Night)」フォー・シーズンズ The Four Seasons (1975)

フォー・シーズンズの「オー、ホワット・ア・ナイト」です。1960年代に大ヒットを連発した連中が、70年代以降に売れる例は少ないわけですが、この人たちは例外の好例ですね。ニール・セダカやポール・アンカの例もありますけどね。しかもこの曲は1993年から95年にかけてもチャートインしているわけで、例外中の例外です。

メイン・ヴォーカルのフランキー・ヴァリはこの録音時点で突発性難聴を患い、ドラマーが急遽ヴォーカルをとっているんです。フランキー・ヴァリもブリッジ・パートで出てきますけどね。曲を書いたのはキーボードのボブ・ゴーディオ君と当時彼女だった後に結婚するジュディ・パーカーさんですね。

ボブ・ゴーディオは裏方的性格なんですかね。この大ヒットが出た後、バンドを抜けて、プロデュースと楽曲提供に回ってしまいます。後を埋めたのがシュガーローフのジェリー・コーベッタなんですけどね。ボブ・ゴーディオのお仕事は膨大過ぎて語りきれませんが、キーボーダーとしてはフォー・シーズンズとフランク・シナトラ、その他ではマイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロス、エリック・カルメン、ロバータ・フラック、ニール・ダイアモンド等々、錚々たる面々です。実は凄い人です。

ものの本によりますと、元は禁酒法が終わり、お酒が解禁になった1933年12月を歌ったものだったそうですが、おそらくヴェトナム戦争終盤に録音されていることから、ヴェトナム前の古き良き時代の若いカップルの出会いの歌に書き換えられているんですね。そういった背景を考えると、1993年頃に某局DJがかけまくって再度大ヒットしたという事実も、湾岸戦争勃発後のタイミングなのかと考えてしまいます。戦争を繰り返すアメリカという国の中でも、そのことをよく思っていない人々は少なからずいるということがまだ救いでもあるのでしょうか。

何はともあれ、名曲です。

読まれる方にはどうでもいいお知らせですが、これまで日に3枚ご紹介してきましたが、「書き過ぎや!」とクレームが入りまして、今日から日に1枚にペースダウンさせていただきます。…私にとっては、これも仕事なんですけどねぇ…。

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