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7インチ盤専門店雑記203「ジオグラフィ」

ここ数年で最も気になるアーティストの一人、トム・ミッシュのデビュー盤「ジオグラフィ」がおそらく再プレスされたようです。密林のジャングルでお安く入手できるようになりました。…書かない方がいいのかな?

2018年のリリース以降、アナログ盤は入手困難を極めておりました。随分お問い合わせもいただきました。まあ、名盤ですし、いかにもウチにありそうかもですね。…お客様にもそう言われました。でもリリース当初は手に入らなかったんですよ。だって、15,000円ほどで流通していたんです。新人のわりに随分プレミアがついたものです。アナログレコードの価値というものを考えさせられた一枚です。とにかく「サウス・オブ・ザ・リヴァー」です。いい曲です。これがデビュー盤だと言われても信じられない完成度です。

そして「イット・ランズ・スルー・ミー」ですかね。こちらはフィーチャリング・デ・ラ・ソウルということですが、まあそのことよりも、作曲センスがいいです。ヴィデオも格好いいです。

まあ、私なんぞが、いまさら語るべきアーティストでもないのかもしれませんが、何年後も聴いているかなという気がします。普段古い音楽ばかり聴いているわけですけど、たまにこういう新しい音を聴きたくなるんです。ある意味、カウンター・バランスです。それでもやっぱりアナログで聴きたくなるという部分をどう説明するかですが、電子音ではない楽器音で今聴きたくなるアーティストが少ないこと、落ち着いた声が魅力的ではあるということ、…これに関してはあまりラップ的ではない歌唱に期待しちゃいますけどね。その辺も新しさなんでしょうけどね。本来、ジジイが聴くものではないのかも知れません。でも確実に有り難い存在ではあります。

そして、同じ土俵で語っていいのかわかりませんけど、最近のボブ・ジェームスがいいんです。この人83歳です。でも現役感バリバリの演奏を聴かせます。トム・ミッシュを聴いているとボブ・ジェームスが聴きたくなります。またトム・ミッシュに戻るんですけど、この手の音が最近心地よいみたいです。他人事のようですが、どうも突然降ってくるように、聴きたくなるのがトム・ミッシュでありボブ・ジェームスなんです。…困ったものです。


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