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さらまわしネタ帳011 - いい音が聴きたい

正月明けの雪で少々ペースが狂わされたようなものですが、見方を変えるとお客様が減った分時間ができたため、いろいろ懸案事項が片付いたのは有り難かったですね。3連休中日には思い切り作業的なこともこなし、年明け初日は激混み、その後は潜水艦浮上せずで、ひどく売上げが落ち込んでいるわりには気分的に悪くないといったところです。

売上げが落ち込むと、仕込みにかかる時間も減るので、結局レコードを聴く時間が増えることになるのですが、いきなり時間に余裕ができるような場合、まとまった時間を使ってやりたいPC作業などはなかなか手が出ません。結果的に、やはりあれこれ聴きたかった盤を引っ張り出してきて聴いたり、ふきふきしたり、ということになってしまいます。

ここにきて、自分の中で「いい音が聴きたい」という欲求が高まっており、業後に気持ちボリュームを上げていろいろ聴くわけです。まあ、最近発売されたリマスター盤なんぞは当然のごとく高音質で、しかも重量盤がデフォルトのようになっておりますから、振動音もほぼ無く、かなりいい音で鳴ってくれます。

一方で主戦場の7インチ盤などは、ものによって大きく差が出るわけで、ホント千差万別です。45回転盤はやっぱり音圧高めという印象で好みの音ですから、好きな曲がいい音で聴けるときには快感を覚えます。ここしばらくで圧倒されたのは、ブルーノートのBEST SERIESという1968年に20タイトルほどリリースされたもののいくつかです。全部そろっているわけではありませんが、半分くらいあります。しかも、嬉しいことに赤盤が多いんです。

東芝音工の赤盤、都市伝説のように言う人もおりますが、実際に聴いてみて、やはり鳴りがいいように感じます。クリアで華やかな鳴りです。黒いLPで同じ曲を聴いて比べると一目瞭然、嬉しくなってしまいます。オークションでは12,000円スタートとか、ものによって5ケタのお値段がついておりますが、「まあ、落ち着いて…」と言いたくなりますな。レコ屋のくせして、そこまでの価値があるとは考えておりません。

東芝系だとどうしても赤盤を探してしまうようなところはありますが、やはりお楽しみ程度にしておきたい気もします。ビートルズ関連もやはり赤盤は凄いお値段がついていたりしますが、ちょいと引いてしまいます。面白いのがナット・キング・コールの「ランブリン・ローズ」で、タイトルがタイトルですから、東芝音工さんも配慮したか、全部赤盤のようです。何枚か手元にありますが、すべて赤盤。これまで中古盤店で見かけたものもすべて赤盤でした。

同じく都市伝説的に音がよいと言われるのは見本盤ですが、これはやはりマトリックスが若いからという理由もはっきりしているので、確かなのでしょう。でも普通に売られていた盤と聴き比べて差が感じられたことはありません。残念ながら一度もありません。ただし、「あの曲はいい音で鳴ったな」という盤が見本盤だったということは多々あります。ワーナーさんの見本盤は間違いなくいい音で鳴るような気もします。でもそういう曲は、おそらく一般の盤もいい音で鳴るのではないでしょうか。

今日は2枚ほど気持ちのいいクリアで嬉しい鳴りの盤がありました。両方ともワーナーです。一つがリッキー・リー・ジョーンズの「ヤング・ブラッド」、もう一つがカーズの「オール・アイ・キャン・ドゥ」です。「ヤング・ブラッド」はもうイントロからベースの弦の弾かれる音がリアルで、ニヤッとしてしまいます。カーズの方はギターのカッティングが、ハーモニクスを多分に含んだ音なのですが、これも凄いですよ。どちらも「LPではここまで分離がよくないよなぁ」と、ついつい聴き比べになってしまいます。

コロナの感染者数急増に、悪天候まで加勢して売上げが落ち込んでいるからといって、いちいち落ち込んでいては、飲食店経営者はみんなメンタルやられてしまいます。私の場合は、お手軽なストレス解消法があることが本当に有り難いと思う昨今だったりします。ま、「いい加減にせえよ…」などと愚痴りながら、爆音を発しているスピーカーの前に座って聴いているわけなんですけどね。おそらく他人様に見せられる顔はしてないでしょうね…。

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