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7インチ盤専門店雑記036「ジャスティン」

「ジャスティン Justine」クリトーンズ The Cretones (1980)

マーク・ゴールデンバーグのクリトーンズです。リンダ・ロンシュタットの方向性を変えることになったマーク・ゴールデンバーグの起用は、結果の吉凶はさておき、随分話題になりました。1980年2月にリリースされたリンダ・ロンシュタットの「激愛 Mad Love」は、エルヴィス・コステロの曲を3曲も取り上げていることもあって、音がニュー・ウェーブ的になったとされ、それまでとは全く違うものとして扱われました。やはり3曲提供とギタリストとして全面的にバックアップしたマーク・ゴールデンバーグの影響でそうなったかと思われたようですが、…違いますよね、多分。全然ニュー・ウェーブ的な音の人じゃないし。

ここでのリンダのファースト・シングルは「お願いだから How Do I Make You」、B面はカントリー・トラッド「Rambling Gambler」、アルバム未収録です。A面「お願いだから」の作者はビリー・スタインバーグでして、トム・ケリーの相方ですね。このコンビはマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」、シンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」、バングルスの「エターナル・フレイム」、ハートがカヴァーした「アローン」などの大ヒットを持っているわけですが、ビリー・スタインバーグの極初期の一作なわけですね。

セカンド・シングルが「涙がいっぱい Hurt So Bad」、1965年のリトル・アンソニー&ジ・インペリアルズのカヴァーでして、まあオールディーズ・カヴァーがお得意の彼女らしい選曲でもあります。そのB面が「ジャスティン」なわけです。

このアルバムにはオールディーズ・カヴァーがもう一曲あって、それがサード・シングル「アイ・キャント・レット・ゴー」、これのB面もマーク・ゴールデンバーグ作「愛は買えない Cost Of Love」なんですね。おっと、シングルだけ見てると漏れてしまいそうなのが、アルバム冒頭を飾るタイトル曲「激愛 Mad Love」ですが、これもマーク・ゴールデンバーグの曲です。要はクリトーンズのシングル「ジャスティン」のB面なわけです。

今となっては、クリトーンズは業界の圧力で抹殺されたかと思いたくなるほどレアな存在になってしまいました。「ジャスティン」もYoutubeに載ってない始末です。

「Snap!Snap!は結構なレア盤です」


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