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7インチ盤専門店雑記167「Tom Jans」

ヘッダー写真は、フォーキーなシンガー・ソングライター、トム・ヤンスの1975年リリースのサード・アルバム「子供の目 The Eyes Of An only Child」です。この盤、リトル・フィートのローウェル・ジョージがプロデュースしておりまして、その一点だけで気になってしまい、買った盤です。ローウェル・ジョージがプロデュースしたなんぞと言われたら、…気になるでしょ。

この人、5枚しかアルバムがありません。1984年に36歳の若さで亡くなっておりますから、しかたないです。しかも1982年の最終アルバム「チャンピオン」は日本でのみリリースされたという寂しいことになっております。翌83年にバイク事故で大怪我をし、84年にはオーヴァードーズで亡くなってしまいましたからねぇ。やはり気にはなります。しかもトム・ウェイツが1992年のアルバム「ボーン・マシーン」に「Whistle Down The Wind」という曲を「(for Tom Jans)」というかたちで捧げておりまして、これも気になる要因ではあります。この曲はトム・ウェイツ作品の中でも好きな方です。

問題は結構フォーキーな人だという部分でしょうか。曲はいいのですが、大人しめのリトル・フィートと言ったら言い過ぎなほどにファンキーな要素などは望めません。「ここらで転調して、腰の強いベースが出てくるのではないか」と期待しながら聴いてしまうコチラも悪いのですが、何だか肩透かしみたいな気分になるアルバムではあります。

ちなみに1971年のファースト・アルバムはMimi Farina And Tom Jans名義の「Take Heart」といいます。このミミさんはジョーン・バエズの妹さんだということで、ジョーン・バエズが紹介したと言うことですが、コンビは1枚で解消しております。

他にも何枚か手元にありますが、内容はかなりいい方だと思います。「好きな人は好きそうだな」といったところです。そう言うからには、自分の手元に置いておく必要はなさそうです。年が明けたら販売ボックスに入れますかね。…値付けが難しいですねぇ、この人は。






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