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清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : 別れと出会いの季節

春は別れと出会いの季節ですね。卒業やら人事異動やら、いろいろ理由はあるのでしょう。その点小規模飲食店経営者は、潰れない限り原則的に営業時間内に行けば会えるわけで、そういう機会はありません…と言いたいところですが、やはりこの季節にはお別れということが少しはあります。常連さんが「地方に異動になった」とかいったご挨拶にいらっしゃいますからね。特にウチのランチタイムの半分ほどは、ご近所にオフィスがある大阪の企業の方々ですから、「大阪に戻ります」という方が毎年結構な数いらっしゃるんです。そういった理由もあるのでしょう、今週あたりは4〜6名様程度のご予約が多く、売り上げも普段の週の倍程度になります。笑ってしまうほど忙しいです。

コロナ禍前の話ですが、毎日のようにいらしていたお二人のお客様が珍しくお一人でいらっしゃいまして、お会計時に「いつも一緒にきていた彼女、大阪に転勤になったんです。最後の日、満席で入れなかったんです。」と、チョットお怒りかという表情で教えてくださいました。誠にタイミングの悪いことで、お詫びを伝えることもできず、寂しいやら悲しいやら、実に複雑な心境をしばらく引きずりました。でもどうしてもあり得ることなんです。お店が混んでいて、久々に遊びにきてくれた旧友と全く話すこともできないなどということも、一度や二度ではありません。何度もあります。悲しいながら、小規模飲食店経営者の宿命です。

一方で、コチラの企業の皆さんの有り難いところは、後任に事務引継ぎをするついでにランチ候補の引継ぎもしていってくれるところです。音楽好きの方を連れてきてくれることもありますので、新しいお付き合いの始まりになったりもします。まあ、音楽好きの方からは「こんな店で昼食ったら、午後仕事にならない」とはよく言われます。

月初に新人歓迎会みたいなことをやっていらっしゃることもあります。新人さんが常連さんになることは少ないのですが、時々いらっしゃるようになったりということはあります。…その辺の人間関係の難しさは分かりませんけどね。…フトコロ事情もあるでしょう。

花粉禍で原則不機嫌なこの季節、卒園式後の謝恩会の準備会合などというものもありまして、不機嫌さに拍車をかけてくれます。言うまでもなく、一部のお母さんたちのお行儀の悪さがその原因ですね。ウチの場合、神様とは言わないまでも、有り難いお客様が多いわけです。「こんなに残している」といってスタッフさんが怒っていることはたまにありますが、ゴタゴタするようなことは皆無です。

むしろ本業が声優のスタッフさんたちの声が気に障るという方がいらっしゃるのではとハラハラすることはあります。普通の人間の何倍も声がよく通る(=ウルサイ)という自覚がなくて、時々イラっとさせられます。誰であれ、美点を見るようにして、少々のことは目を瞑るようにしないとやってられません。…まあ、お客様には恵まれている方です。

自分のことを棚に上げて、勝手なことを書いておりますが、経営者なんぞそんなところで気をつかい過ぎたら、自己実現だパーソナル・ブランディングだなどという部分で無理がきます。増してやジジイですから他人様に好かれるもへったくれもありません。どれだけ世に憚れるかが価値基準みたいなものです。うるせえヤツだと思われるくらいで丁度いいのではと思います。

まあ私の場合は、加えてスピーカーから鳴らす音がうるさくて嫌がられることもあるでしょうけどね…。そういう店なんだと思っていただくしかありませんね。ここのところ80sのイベント準備でキラッキラの音ばかり聴いておりますから、10%くらい余計にウルサイかもしれません。

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