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さらまわしネタ帳035 - ジュリアン・レノンの「ビコーズ」

ジュリアン・レノンの「ビコーズ」という曲のシングル盤がありまして、これがなかなかにいいんです。どうも本人のオリジナル・アルバムには収録されていないという知識だけがインプットされており、安いときに買っておいたものです。世の中にはシングル・オンリーの曲というものは結構いっぱいあるんですけど、これはそうではなくて、1986年の「Time」というミュージカルで使われており、そのアルバムからの先行シングルで1985年にリリースされたものらしいです。英国で40位どまりということで、特別売れたわけではなかったようですね。実は割と最近知った曲なんです。

「Time」はブリティッシュ・インヴェイジョンのソフトロック・バンド、デイヴ・クラーク・ファイヴを題材にしたもので、「ビコーズ」もデイヴ・クラーク・ファイヴの曲なんですね。当初英国ではB面曲だったそうですが、「アメリカではA面にして~」ということで、お願いしたら了承されたということで、彼らの5枚目のシングルとしてリリースされ、見事No.3までいくヒットとなったということですが、如何せん1964年のこと、リアルタイムで聴いた曲でもなく、「へぇ、そうですか」というところなんですが…、ジュリアン・レノンのカヴァーがどう聴いても凄くいいんですけど、どうしてこれ売れなかったんですかね?

「Time」のアルバムは、いろいろなアーティストが参加しておりますが、結構ゴタついたものらしく、タイトル・チューンはクイーンがやる予定だったものが、結局フレディ・マーキュリーのソロになっていたりしています。ディオンヌ・ワーウィックやスティーヴィー・ワンダーなんかも参加しているのにヒットしてませんよね。そもそも、これ、サントラ盤じゃあないんですね。そのメンツでミュージカルをやったわけではなく、主役はクリフ・リチャード(後にデヴィッド・キャシディにチェンジ)とかなんですね。道理でと申しましょうか、英国のローカル・ヒット程度で終わったもののようです。

何だか1980年代のジュリアン・レノンって、お父さんに声が似ているところもあって、結構七光り的に売れていたのかと思っていたのですが、世の中厳しいですね。でも、よう知らんけど、この曲を気に入ってしまったので、今後あちこちで紹介してみますかね。そもそも、私はスリーヴにしっかりデイヴ・クラークの曲だと書いてあるにもかかわらず、ビートルズの「ビコーズ」をカヴァーしているのかと勘違いしていたもので、なおさらなんです。とにかく、「いいもんめっけ」といったところです。

ここにきて、急遽レコード整理の時間ができたようなものですから、少し掘り出し物をご紹介してみますか?掘り出し物と言っても、オークションとかで入手しておきながら、ロクに聴く時間が持てずにいただけの盤がいっぱいあるものですから、まあ本当の意味での掘り出し物ではありませんけど、「ネタ帳」に相応しいものではあります。


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