さらまわしネタ帳027 - 好きな声
誰にも声の好き嫌いというものがあると思います。聴いていてイライラする声の人が時々おりまして、我ながら困ったものだと思います。某FM局は開局以来ずっと好きだったのですが、最近夜は聴けません。平日夜、多くやっているパーソナリティの声がどうにも我慢できないほどに嫌いなんです。理由なんて判りません。多分しゃべり方でしょう。こういう例は珍しいんですけど、残念ながら何人かはいるようです。
まあ歌い方なのか、しゃべり方なのか、発声で好き嫌いが分かれるものではないと思っていますが、母国語での違いもあるようですし、いろいろ考えてみると面白いです。ウチのお店のスタッフさんの多くは本職が声優さんなので、皆さん素晴らしくよく通る声でして、時にはうるさく感じることもありますが、まあみんないい声です。これは楽しいです。
ノラ・ジョーンズがデビューしてからは、あの少し低音成分が豊富な声が自分の中でスタンダードになってしまいました。オーディオ・チェックのレファレンス用にファースト・アルバムを使っていますから当然ですけどね。素晴らしくいい声です。ノラ・ジョーンズのファースト、セカンド・アルバムあたりで、自分の中のスタンダードが出来上がったようです。女性ヴォーカルのいいのが他にもあるかもと意識して聴いたこともありまして、その頃に自分の好みが意外にハッキリしているなと自覚しました。
とにかく、シャーリー・バッシ―の「ゴールドフィンガ~」が嫌いでして、あれは極端な例としても、傾向はつかめております。エラ・フィッツジェラルドやビリー・ホリデイはまあまあですが、21世紀のビリー・ホリデイと言われたマデリン・ペルーの声は大好きです。同じ頃によく聴いたダイアナ・クラールは嫌いに近い存在、レベッカ・マーチンは大好き、サーシャ・ダブソンは好き、グレチェン・パーラトは好きだけど一部嫌いな曲もある、ベッカ・スティーヴンスは好きといったところです。
以前にも何回か書いたことがあるのですが、ソフィー・ミルマンという女性ヴォーカルがとにかく大好きだったのですが、最近はあまり熱心に活動していないようで残念です。彼女の場合は何か国語もしゃべれるということで、恐ろしく言語野が発達しているのでしょうか、MCを聴いていてもうっとりしてしまいます。
母国語でも違うかもという部分では、フランス人のヴォーカルがやはり耳にやさしく感じて好きだったりします。ジェーン・バーキン、フランソワーズ・アルディ、クレモンティーヌ、イザベル・アンテナあたりは好きな方が多いのではないでしょうか。私も好きです。
先日、カミさんとある話題で盛り上がったのですが、キャロル・キングの声とトッド・ラングレンの声が似ていると二人とも感じていたようなんです。子供の頃は本当に勘違いしていたほどで、よく似た声質だなと思います。どちらも大好きな声なんですけどね。
ハスキー・ヴォイスは程度の差ですかねぇ…。フランス人でもZAZはイマイチ好きになれません。さらに、ジャニス・ジョプリンの声もあまり好きではありません。スティーヴィー・ニックス程度にちょっとだけハスキーな声は大好きです。でもフリートウッド・マックの中でもスティーヴィー・ニックスよりクリスティン・マクヴィーの声の方が断然好きだったりします。難しいところです。ハートのアン・ウィルソンは本当に歌が上手いなと思いますし、声も好きです。あまりシャウトしない曲に限っての話ですけどね。
世代的には70年代、カーペンターズはまあまあかなぁ…。リンダ・ロンシュタットやカーリー・サイモンあたりの声をよく聴いて育っておりますが、特別好きでも嫌いでもありません。ジャズ・ヴォーカルをやったときは、カーリー・サイモンの方に軍配を上げますけどね。ニコレット・ラーソンやカーラ・ボノフも同じですね。キャロル・キングもエミル―・ハリスもボニー・レイットも好き、デラニー&ボニーのボニーはあまり好きではない。強いて言えば、西海岸ではカーラ・ボノフが一番好きですかね。
80年代、パット・ベネターは大好き、カウボーイ・ジャンキーズのマーゴ・ティミンズも大好き、シンディ・ローパーは人間は好きですけど、声はイマイチかな。マドンナは上手いなとは思いますが、好きでも嫌いでもありません。曲によってイメージが変わり過ぎなのか、まあ中庸。クリッシー・ハインドの声はイマイチ。「トーク・オブ・タウン」一曲だけ妙に好き。あと、あれだ、ベリンダ・カーライルとスザンヌ・ヴェガは大好き。スウィング・アウト・シスターも好き。
90s以降…、メイヤ好きだったなぁ…。ナタリー・マーチャントとかシックスペンス・ノン・ザ・リッチャーとか、好きだったなぁ、…懐かしいなぁ。他にもいたような気がするけど、思い出せないからそれほどでもないということですかね…。
ソウル系だと、ロバータ・フラックは大好き、チャカ・カーンも大好き、グラディス・ナイトやダイアナ・ロスはまあまあ、アレサ・フランクリンはあまり好きではない…。
最近ジャズ・ヴォーカルを聴く機会が多く、「ラジオでかけた阿川泰子さんの声はよかったなあ」というあたりが起点です。クリフォード・ブラウンがらみでは、サラ・ヴォーンは大好き、ヘレン・メリルもまあ好き、ダイナ・ワシントンは好みではないかなといったところです。他にはあまり好きと思えたジャズ・ヴォーカル曲は残念ながらありませんでした。やはりジャズ・ヴォーカルは苦手なのかもしれません。
ただ例外はあるもので、面白いのがスウェーデン人のモニカ・ゼタールンドさんです。ビル・エヴァンスとやった「ワルツ・フォー・デビ―」しか知らなかったのですが、最近ひょんなことで知った他の曲で、この人の声が凄くいいなと思うようになり、少し調べたりしているところです。
分からないものですが、ピンとくる曲って、あるんですね。自分でもビックリしております。まるで貝拾いのような印象だったりします。いっぱいある中で、何故か「聴いてくれ」と自分に訴えかけてくるように見つけてしまうんですから。時々、「好きな曲だけ聴いていれば十分」という気分になってしまうこともありますが、やはり好きな(声の)曲を発見したときの喜びは大きいです。音楽は一生やめられないということですかね…。
まあ、書き添えておきますが、最近ですと、レイク・ストリート・ダイヴのヴォーカル、レイチェル・プライスの声は好きですが、同じバンドでベースを弾いているブリジット・カーニーの方が好きでして、ソロ・アルバムまで買ってたりします。もう少し掘り下げてみる価値のありそうなバンドです。
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