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さらまわしネタ帳080 - PPK

あちこちで書かれていることですが、行政用語と言ったら怒られるかもしれないものに「PPK」があります。つまり、ピンピンコロリ。理想の死に方です。寝たきりになって長生きしても嬉しくない自分にとっても、PPKが目標です。自分の場合は、もう既に病気持ちですから、少々無理してでも普通の生活と一般的な活動を続けていって、コロリといければ最高です。そのためにも、普段からいつ死んでもいいように身辺整理だけはしとかないとなぁと考えてはいるんですけどね。

とにかくウチのカミサンは、最近ヒマがあるとパンやらケーキやらを焼いております。老後にパン屋でも始めるのかと思うほどいろいろ試しております。昨日もちょっとした空き時間にパンを捏ねはじめ、パンだねを寝かせる時間が必要ということで、夜中に焼き始めておりましたが、まあ美味しい玉ねぎパンを朝食にいただきました。なにはともあれ、本人は毎度満足しない性格なんですけど、私にとっては、非常に美味しい焼きたてを食べられるので、有り難いことこの上ないのです。

結局のところ、体調不良で少々早めに退職することになってしまいましたが、まあ老後の時間などというものは、好きなことに使いたいわけで、自分の場合も趣味の延長みたいなことをやっております。音楽と本が楽しめるカフェめし屋を中心にレコード屋と本屋をやっているわけですが、加えてラジオ・パーソナリティなんぞという予定外のお楽しみまで与えてくださったので、何だか充実した老後を楽しんでおります。楽しんでというにはリアルに走り回ってこなしている日常ですが、まあ充実した日々ではあります。

一軒のお店を切り盛りするというのはそれなりにシンドイもので、スタッフさん関連やら、経費関連やら、悩ましいことも多いことは事実です。それでも、長い目で見たとき、こういうことも含めて楽しい日々だったなと思えるとは思っていますけどね。スタッフには恵まれている方だと思います。

そんなこんなで、ほぼほぼお店中心の日々、ゴールデンウィーク期間中はスタッフさんの都合で少し臨時休業がありますから、少しペースダウンせざるを得ません。まあいつも時間が足りない人間ですから、それも有り難いと思える状況ではあります。では時間があったら何をするかという話ですが、結局普段から好きなことばかりやっている人間なので、普段と同じことをやるだけなんですけど…。

今日久々にゆっくり寝て過ごしまして、お昼ごろにお腹がすいて起きてきたわけですが、まあとにかくカラダが重たいこと。普段が走りっぱなしなので、いきなり立ち止まると筋肉痛が出てしまうようです。先日、火曜日に途中でギブアップしてしまったラジオの収録があった日、お店は激混みで猛烈忙しい半日となってしまいましたが、ジジイなのでその日に走り回ったのが今頃筋肉痛となって出てきているのもあるんでしょう。たまにカラダを休ませるのは、年寄りでなくとも必要なことなのかもしれません。

最近、時間に余裕があるとき、何をしているかというと、ラジオ番組の原稿でも考えてレコードを聴いているのが基本ですけど、それでも余裕があるときは、古い音源にあたっております。ルイ・アームストロングやナット・キング・コールあたりが多いのですが、とにかくナット・キング・コールの歌のうまさに認識を新たにしております。

加えて久美悦子さんという歌手のことを調べていたりもします。レコード・コレクターズ誌のアイドル歌謡の別冊かなにかで「アリューシャン小唄」が紹介されており、「見たことあるなあ」から始まり、やっと気が付いたのですが、持っていました。オークションで大量に仕入れた箱に極上美品が入っていたんです。如何せん50年以上もの時間が経過しているにも関わらず、かなりいい状態の盤だったりします。クリーニングをした時点では「なんじゃこりゃ」だったわけですが、調べていくうちに興味が湧いてしまったというわけです。

ちなみに、お隣りに写っている「裏町小唄」がデビュー曲です。こちらのスリーヴ、驚いたことに彼女の住所まで書いてあったりします。今では考えられないことですが、おおらかな時代だったわけですね。…アイドルの住所が書かれているとか、あり得ないですよね。ファンレターはこちらまで、ということなんですかね?

お座敷小唄のようなジャンルの音楽、昔は酒宴の席に欠かせないものだったと思いますけどね。結局時代を語る上で面白いネタだと思っても、エアポケットのように情報が欠落しているものだったりします。「アリューシャン小唄」は作者不詳、つまりトラッド・ソングです。アリューシャン列島方面に漁に出る船乗りに嫁いだ女性の悲哀を歌っているわけですが、どういう場面で歌われたのかをはじめ、もう全く分かりません。

どのみちそんなに酒を飲む人間ではないので、興味はあっても周辺情報を調べるところまでが限界です。遊興の地深川で、辰巳芸者が謡ったネタを調べるうちに、本来興味がある明治・大正・昭和といった近現代史のカルチャー、サブカル部門で失われゆく情報を収集整理しているだけなんですけどね。

自分がリアルタイムで憶えているアイドルといえば、最も古いところで、ピンキーとキラーズや内藤洋子さん程度です。コロナの営業自粛ついでに仕入れていた7インチ盤で、恐ろしく状態のいいものが手に入ったものの、イヴェントができるわけでなし、使い道に頭を悩ませているところです。もちろん、売り物ですけどね。

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