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7インチ盤専門店雑記344「タイムマシン盤」

新品同様とかミント盤、ニアミント盤などというものがあります。最初はみんなミント・コンディションだったのでしょう。当然です。2枚購入して、1枚は保管用とかいうことをしないと、有り得ない程に状態のよい盤も存在しまして、日本ならではという気もしますが、ビックリします。ヘッダー写真の盤も比較的最近入手したものですが、キレイ過ぎて驚きました。偽物かと思いたくなるほどに使用感がありません。個人的に「タイムマシン盤」などと呼んで大事にしております。白手袋でも付けて扱っていたのでしょうか。…デッド・ストックというヤツなんですかね?まあ、タイムマシンに乗って過去から現代にやってきたような盤です。

スリーヴも折れやシミ一つありません。というか、触った形跡が無いと言いたいところです。…私、一瞬触りましたけどね。今後は素手では触らないようにしようと思います。文化遺産級の盤はそうあるべきです。57年前にリリースされたものがこのコンディションというのも、むしろどうして存在するのか気になってしまいます。他にも何枚か保有しておりますが、今後は少し考えないといけませんね。本当に価値のあるものは、きちんと保管するべきです。

何を今更こんなことを書いているかというと、やはりキチンと保管しているつもりでも、前回見たときより黄ばんでいたり、茶色いシミがポツっと出てしまったりした盤に気がついてしまったからなんです。よくよく考えれば、…というか考えなくても、日本は高温多湿の気候がどうしても避けられない地勢を持っているわけで、人工的に除湿や防カビ対策をしないと、普通に保管している限りは経年劣化をくらうわけですよ。通常ビニールの外袋に入れて保管されるレコードは、意外なほど酸化は免れていると思います。古書に比べると、遥かにヤケが少ないです。紙の酸化防止措置が必要かなと感じるのは、1950年代の紙質があまりよくないものとかでしょう。60年代以降の、表面が少し艶のある紙が使われている一般的なシングル盤のスリーヴは、意外なほど酸化には強いようです。

やはり、カビですよね、問題は。素手で触らないようにすれば、人間の皮脂にカビが生えてという事態は避けられます。でも普通触りますよね。しかも先述の通り高温多湿、エアコンがある程度の家庭に普及したのは1980年頃と言われています。それだからこそ、50年以上の年数を、無事に経過してきたことは奇跡的なわけで、ここまでその状態を維持してきたなら、この先も維持させてあげたいではないですか?

…と、まあ、それだけインパクトのある盤なんですけどね。しかも60sストーンズなわけで…。ストーンズ関連とビートルズ関連は、そういう意味では別格の扱いになってしまいますね、どうしても。

「7インチ盤で聴く優良録音」のイベントが盛況のうちに無事終了しまして、ホッとしているところですが、昨日、ゆっくり時間をかけて片づけをしていて、アタマの中ではこんなことがグルグル巡ってましてね。時間が欲しいなといった思考になっております。

…あ、イベントにご参加くださいました皆さん、有り難うございました。超楽しかったです。

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