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再羅月 綾辭
2023年12月25日 14:00
その後しばらくしても秋龍とレイジがなかなか店の奥から出てこなかったため、俺と武村は様子を見に行った。 鉄製の重々しいドアを開けて中に入ると、薄暗い部屋の中央に診察台のようなものがあり、そこに秋龍は寝そべっていた。レイジはその隣で椅子に腰掛けながら、コンピュータディスプレイに映った情報を眺めている。「あれ、どうしたんや?」 秋龍がこちらに気付き、声をかけてきた。「いや、なかなか出てこなかっ
2023年12月26日 21:03
朝学校に到着したのは8時20分。朝礼が始まるのは30分だから、当然これくらいの時間なら大体のクラスメイトはとっくに到着している。今日このクラスで十二支が決められるのなら、俺の名前は乗らないことだろう。 武村は俺より先に登校しており、俺の席で呆けていた。「おはようさん」 天井を眺めている武村を横目に、俺は荷物を机の上に置いた。「ん、おはよう」 武村がこちらに視線を下ろした。「秋龍は?昨
2023年12月28日 10:17
翌日の夜8時。一部の運動部以外はとっくに帰宅しており、校舎に点いている明かりも片手で数えられるほどになっていた。「夜8時なんて、優しい時間に召集かけられたもんやな」 秋龍は相変わらず飄々としている。「なんにせよ怪我人が出ないことを祈るよ」「まったくだ」 俺と武村は秋龍に誘われるまま学校に残り、図書室を追い出されるまで仲良く仮眠をとっていた。追い出されてからの2時間は退屈極まりなく、最終