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EVEN, if...

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「EVEN, if...」シリーズをまとめました。この作品の続きが書かれることはありません。
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#Even

EVEN, if... <「彼」の手記Ⅰ>②

EVEN, if... <「彼」の手記Ⅰ>②

小学五年生の時の僕の一日を思い出していると、今とほとんど変わらず、つい笑ってしまった。
 まず、朝六時半ごろに起床する。同時に、(彼女はまだ寝ているだろうか。一体どんな夢を見ているんだろう)と心の中で考える。調子のいい日は、彼女の見ている夢の内容すらも想像する。今思えば、どれもこれも自分に都合のいい内容のものばかりだったのだが。例えば、僕に告白してくる夢とか。思い出すだけでも恥ずかしい。
 次に、

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EVEN, if... <「彼」の手記Ⅰ>③

EVEN, if... <「彼」の手記Ⅰ>③

 空虚な想像の中で、「それ」は、「Even」は生まれていったのだと、僕は考える。これらの想像の中で生まれた彼女の虚像、共に何もない世界を旅した人形に、五年の歳月の苦悩によって発生した自己卑下の念と彼女への恐怖心、何もできない無力感とおぞましい執念が溜まってゆき、やがて自我を持つようになった。だからEvenは僕を否定し、彼女への恐怖心を煽り、何もできない僕の無力さが分かる例を次から次へと挙げてゆくの

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EVEN, if...  <「彼」の手記Ⅰ>④

EVEN, if... <「彼」の手記Ⅰ>④

二日目、三日目と時間は過ぎていったが、班活動でしか男女間の交流がなく、自由時間に別の部屋に行くことが許されていなかったため、結局彼女との会話はできなかった。そのため、恋しさ故に彼女を見かけるとついつい凝視してしまい、カレーを作っていた時などはかき混ぜる手を止めてしまって危うく焦がしてしまうところだった。
 二日目は様々な活動があり、どれもこれも楽しかった記憶がある。小さな池に入って、中を泳いでいる

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EVEN, if... <「彼」の手記Ⅰ>⑤

EVEN, if... <「彼」の手記Ⅰ>⑤

 僕は自分を落ち着かせた。何もできない非力な俺自身を無視しようとして。しかし僕は無視する以外に自分を落ち着かせる方法を知らなかった。僕は彼女のことを思い浮かべた。だが、俺は突然吐き気に襲われた。これは彼女に対する嫌悪感などではなく、どうしようもない俺自身の愚行と、ここ最近の俺自身のストレスによるものだった。
 しばらくして激昂をする心を収めると、再びかつての記憶のアルバムを箱から取り出そうと瞼を閉

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