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「ガウディとサグラダ・ファミリア展」 と L'art et Mikuni ~ 東京国立近代美術館
高校の同級生二人と私、
三人の TOKYO大人の時間。
お盆も過ぎたというのに残暑厳しく、極力屋外は歩かず、美術館での大人の時間を楽しもうという計画。
竹橋駅のすぐ近く、東京国立近代美術館でガウディとサグラダ・ファミリア展を観て、館内の L'art et Mikuni でランチ、それから4階に移動して、所蔵作品展MOMATコレクションを観るという一日。
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所蔵作品展MOMATコレクション
午前10時50分 東京国立近代美術館エントランス集合
日時予約制が導入されたので、激混みというほどではないけれど、それでもかなりの観客。
スムーズに入場。
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日本文化や自然豊かな環境に位置する日本で最初の国立美術館(1952年オープン)
ガウディとサグラダ・ファミリア展
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長らく「未完の聖堂」と言われながら、いよいよ完成の時期が視野に収まってきたサグラダ・ファミリアに焦点を絞り、ガウディの建築思想と創造の源泉、さらにはこの壮大な聖堂のプロジェクトが持っていた社会的意義を解き明かす。図面のみならず膨大な数の模型を作ることで構想を展開していったガウディ独自の制作過程や、多彩色のタイル被覆、家具、鉄細工装飾、そして彫刻を含めたガウディの総合芸術志向にも光を当て、100 点を超える図面、模型、写真、資料に加え、最新の技術で撮影された建築映像も随所にまじえながら、時代を超えて生き続けるガウディ建築の魅力に迫る展覧会
ガウディとサグラダ・ファミリア贖罪教会のことを知ったのは40年くらい前、NHKの番組と芸術新潮で、だったと思う。
友人の工学部卒チェンバリスト氏がその偉大さ、凄さを熱く語り「完成には300年かかる」と聞き、その頃の私にはその年月の長さがどれほどで、実現可能なのかさえ想像できなかった。
永久に思えるほどの長い時間建設が続くその異形なる建物を、日本の景色、空とは違うであろうバルセロナの地でいつの日か鑑賞してみたいと思った。
その願いは未だ叶っていない。
数多くの祈りの空間を訪れてきた。
タイ・香港・マカオなどの仏教寺院
インドやバリ島のヒンズー寺院
ブダペストのシナゴーグ
エルサレム 嘆きの壁
エジプト ハトシェプスト女王葬祭殿、カルナック神殿、ルクソール神殿、アブシンベル神殿
アテネ パルテノン神殿
カイロの古いモスクや新しいモスク
イスタンブール アヤ・ソフィア、ブルーモスク
エルサレム 黄金のモスク
モスクワ郊外の村のロシア正教の木造教会
ロンドン ウェストミンスター寺院
ウィーン シュテファン大聖堂
フィレンツェ サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
エルサレム 聖墳墓教会
ベツレヘム 降誕教会
訪れた地で、宗教や神、祈る人々、祈りの形や祈りの場所について様々な感慨を抱き、祈るということの輪郭が自分なりに少しだけ描けた。
十数年前にミラノを訪れた。
夕闇の中、ミラノ中心部のドゥオーモ広場に Duomo di Milanoが荘厳に浮かび上がったとき、心が震え、畏怖の念を抱いた。
完成までの500年という歳月の形を目の当たりにしたとき、不思議なことにサグラダ・ファミリアを思った。
完成までの300年といわれる歳月の持つ意味を理解できたのかもしれない。
ガウディとサグラダ・ファミリア展を観ながら、そんな過去の旅のことを思い出した。
ガウディとサグラダ・ファミリアについて、数多くの展示物や映像で、丁寧にわかりやすく知ることができた展覧会だった。
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各展示室の壁に記されたガウディのことばも、展覧会をより深く理解させてくれる。
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聖堂を任されること以上に
建築家は何を望み得るだろうか。
独創性とは、起源に戻ることである。
すべては大自然の偉大な本からでる。
人間の作品は既に印刷された本である。
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制作:サグラダ・ファミリア聖堂模型室
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スケール:1:200 2012-23年
制作:サグラダ・ファミリア聖堂模型室
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ガウディが生前に「降誕の正面」を飾る彫刻を構想する過程で制作されたもの
1898-1900年
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サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面:歌う天使たち
1990-2000年に設置
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1978年以来サグラダ・ファミリア聖堂で彫刻家として従事する日本人・外尾悦郎氏
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人々を聖書の世界に導く役目を果たしている
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実際に「降誕の正面」に設置されていたもの
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NHKが撮影した高精細映像やドローン映像を駆使したサグラダ・ファミリア聖堂4K映像をスクリーンで観ることができた。
聖堂内部に誘われ、内部の装飾にステンドグラスから射し込む光が当たり、映ろう。
太古の森のような、未知なる洞にいるような錯覚に包まれる。
ガウディの創造世界は、西欧建築様式やイスラム建築様式など異文化を研究し、自然の摂理や理論に基づいた結果の建築なのだ。
40年前。
どうして異形なる物だと感じたのだろうか。
それらは宇宙そのものだった。
聖堂は祈りの場所だ。
包まれる場所だ。
人間は創造しない。
人間は発見し
その発見から出発する。
「とてもよかった。ガウディのことばは哲学で真理だね」と同じ感性を持つ友人たちと語り、ランチにむかう。
L'art et Mikuni
道路に面したエントランスには太い幹のうねるオリーブの木、テラスにもオリーブの木。
館内からエレベーターで移動できるので、快適に館内から移動。
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「芸術と料理」をテーマにフレンチとイタリアンの融合をアートするレストラン
皇居の四季を臨むテラス席も楽しめる
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カトラリーはクリストフル
Menu di Piccolo
前菜
スズキのカルパッチョ、柚子風味
サラダ添え
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これくらいの酸味が猛暑には美味
パスタ
シラスと大葉のスパゲッティ
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(友人チョイス)
国産牛ラグーのフェットチーネ
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思わず声が出るルックス
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小松菜がアクセント
メイン料理
鳥取産 大山鶏のロースト、
バルサミコソース
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かなり甘めのソース(だったそう)
この盛り付け真似しよう
真鯛のロースト、
白味噌風味のマリニエールソース
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魚の臭みもなし
白味噌はほんの隠し味
デザート
ピスタチオのムースと夏蜜柑シャーベット
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ふわり、なめらか食感スイーツ
カフェと小菓子
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お茶うけにぴったりの小菓子
「大きな窓からお堀の緑を眺めながらの丁寧で素晴らしい調和した味付けの料理をいただけて、ああ素敵な時間だったわ」
再度館内エレベーターで4階まで上る。
所蔵作品展MOMATコレクション
こちらはまだ鑑賞客もまばら、ゆったりと所蔵作品を鑑賞できた。
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右:ジョアン・ミロ「絵画詩(おお!あの人やっちゃったのね)」 1925年
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1938-40年
藤田嗣治の戦争画の一枚
「この絵、美術の教科書でみたよね」
「こうして実際に作品をみると、モデルの才媛ぶりがエネルギッシュに伝わってくるよね」
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1934年
5か国語をあやつる小田切峯子の中国風愛称が「金蓉」
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1937年
「この作品は近美の所蔵だったのね。岡本太郎展同様インパクトが半端ない。爆発する憤怒!」
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1955年
1954年3月1日に起きた第五福竜丸の被爆事件に着想を得た作品
今回絵画鑑賞の面白さを感じさせられた一枚。
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1929年(昭和4年)
遠くから作品を観たとき、まずこの緑のグラデーションの配置にハッとした。
青もみじだ。
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新発売の高価なコニカのカメラを抱いて覗き込む舞妓。
髪型や簪でまだ若い舞妓であることが見て取れる。
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着物は5月にふさわしい色の絞り
元号が大正から昭和に変わった新時代の希望と不安が、少女と青もみじで表現されているのだろうか。
新時代をしかと記録しようという画家の決意も伝わる作品にも感じられた。
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美術館の最上階に位置する休憩スペース
ベルトイア・チェアが設置された明るい窓辺で寛げる空間
大きな窓からは、皇居の緑や丸の内のビル群のパノラマ・ビューが楽しめる
あっという間に午後4時になっていた。
友人たちも私も、秋の再会を約束して、帰路に着いた。
翌19日、NHKスペシャル「サグラダ・ファミリア2023〜ガウディ 100年の謎に迫る〜」を観た。
番組の後半、ガウディからの贈り物だとしか思えない奇跡の発見で、ガウディが晩年研究に没頭していた色のグラデーションのサンプルが見つかる。
外尾氏によりイエスの塔の内部の装飾が決まったシーンに特に感動。
サグラダ・ファミリア聖堂の建設は、新型コロナウイルスの影響で一時中断していましたが、2020年の秋には再開。翌年の12月には、聖堂の中央に位置する6つの塔のうち、頂点に星を頂くマリアの塔が完成、続く2022年12月には4つの福音書作家の塔のうち、ルカとマルコの塔が完成しました。建設作業は現在も進んでおり、残るマタイとヨハネの塔は2023年11月に、聖堂中央の最も高い塔となるイエスの塔は2026年までの完成を予定しています。
技術の進歩のなんと偉大な事か。
300年かかると言われた未完の塔は、2026年ガウディ没後100年に完成予定という。
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