ヨークシャー・パーキンで お茶しましょ
秋を追い越して、もう冬がやって来たみたいな11月。
ショールや膝掛けを出すころになると焼きたくなるお菓子があります。
生姜とミックススパイス、糖蜜、オートミール、バターなどで焼く北部イングランドのお菓子、パーキンです。
ガーリーで胸きゅんでロマンティックというのじゃなく、お菓子の原型といった実直で素朴なルックス、生クリームやカスタードソース、フルーツソースを添えたりもしない地味なお菓子だけれど、芳しい香りのスパイスとオートミール好きにはたまらないケーキです。
まずミックススパイスの調合。
といってもスパイスボックスから取り出したパウダースパイスを量って混ぜるだけ。
オールスパイスはホールをガリガリ挽いて使っています。やはり挽きたては香りが生きているから、出来るだけスパイスはホールを挽いて使うようにしています。
パーキンをパーキンたらしめる材料にブラックトリークル~英語では molasses(色の薄いものはゴールデンシロップ)廃糖蜜~があります。
砂糖を精製するときに発生する糖分以外の成分も含んだ粘状で黒褐色の液体ですが、日本では代用として黒蜜を使うレシピを多く見かけます。
私はしょっちゅうモラセスを使ってお菓子を作るわけではないし、かといって黒蜜も使わないから購入しないで、早く使い切ってしまいたい三州三河みりんで代用しました。
煮切り本みりんでしっとり効果もあり、これはいいアレンジだと自画自賛。
常備しているcocowell 有機ココナッツシュガー(低GI食品)もかなり分量を減らして加えます。
オートミールと粉(薄力粉)はオートミールと全粒粉+米粉にしたりして、自分好みのパーキンを焼きます。
お花を飾って、テーブルセッティングを考える。
焼いて三日目のヨークシャー・パーキンをカットして盛りつけて、さあ、お茶にしましょ。
それぞれの材料が仲良くなじんでしっとりした味わい。
器とカトラリーをセットして、紅茶を淹れて ♪
カフェオレもいいけれど、ここはやはりミルクティーでしょ。
難しい手順は一切なし。
身体に嬉しい材料で作る、甘さ控えめなお菓子。
こういうお菓子って、大好き。
パーキンというと11月5日のGuy Fawkes Dayに食べるお菓子として有名ですが、かつては10月末から11月11日までのケルトやキリスト教の祝祭で供されていたそうです。
イギリスに限らず、世界の郷土菓子や伝統菓子って、調べてみると時代時代の人々の暮らしの物語が込められていて、そこがとても面白いと思うのです。
冬が近づくころ、暖かい部屋でお菓子の歴史を辿るのもいいですよね。
温かい飲み物とお菓子があれば、最高!
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