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意図しない早起きでも三文の徳

その日の出勤時間は朝7時
とバイト先の雇用主の方(以下ボス)には伝えている
昨日までクルマで迎えに来てくれていた後輩は
「土日はちょっとカノジョとー はい」
と理由がなんだか不明瞭だが要は休むのだろう
ひとりで向かわなければならない

我が家のクルマの所有権は
普段通勤で使っているヨメにある風になっているため
事情を話しそれの使用の許可をもらう
有給休暇の申請でもしているような気分になる

遅くとも6時15分には家を出たい(バイト先へは35〜40分かかる)
5時45分に目覚ましのアラームをセットする
二度寝してしまったら終わりの
なかなかにピーキーなアラームのセッティングである
ギリギリまで寝ていたいので仕方がないのである

目覚ましが鳴る
心の臓を雷属性の杭で打たれた様に起こされる
ももももうそんな時間? 全然疲れが抜けていな―――
オレのスマホから出ているアラームの音ではない
ではこの音はいったい

階下から聴こえてきてる?

義母の使っている目覚まし時計
それがその魔物の正体である
どうやら早朝から出掛ける用事がおありであるとのこと

魔物が去った後に二度寝を試みるもなんだか目が冴えてしまい
10分ほどゴロゴロと足掻いてみたがまどろみの門は開かず
観念して起床することにする

朝食を簡単に済ませ時計を見ると5時35分
6時15分まで待つのも無駄だなと考え
もうこのまま出勤してしまうことにする
出勤時間を勝手に早めることになるが
” 三文の徳だから ”
これを使ってボスに納得してもらう大喜利をするので大丈夫なのである
その小粋な文言と言い方を車内で入念に練習しながら
彼の地へ向かうのであった

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