6年制学部でも修士はとれる

「6年制学部(医学部医学科、歯学部、薬学部、獣医学部)の学生は修士をとれない」は大嘘である。

卒業していない、かつ退学していない在学生でも修士課程への入学は可能である。

6年制学部在学者・既卒者が修士号をとるメリットが存在する。

学位をとるための、色々な方法を紹介しよう。

6年制学部所属者/卒業者は、どんな大学にだって、どんな大学院にだって、行く権利を持っている。

前提条件のおさらい

4年制学部においては、
学部4年間→学士
修士課程2年間→修士
博士課程3-4年間→博士
という流れで学位を取得するのが一般的である。

対し、6年制学部においては、
学部3年生を修了→法的に学士相当と認定できる
学部4年生を修了→学士相当

学部6年生を修了→学士もらえる&修士相当(博士課程の出願資格がある)
というのが、規定である。

わざわざ修士をとる利点は何か?

上記の通り、6年制学部の卒業者は、修士号を持っていなくとも博士課程への出願が可能であるし、そもそも卒業した時点で「修士課程卒業相当」として扱われる。次の項で解説する通り、卒業していない、かつ退学していない在学生でも修士課程への入学は可能である。では、わざわざ修士に行く利点は何だ?

下記はほんの一例である。

〇飛び級したいねん
    学部とかどうでもいいしもう博士課程で研究したいんじゃ。でも修士号がないと入れないのか~。最短1年でとれるしとっとくか。博士号とったらポスドクなれるし学部中退でもええやん。

〇研究期間の捻出のため
    ポストなくても学生になっちゃえば研究できるじゃん

〇留学の言い訳
    次々項参照

〇留学の必要要件になっとる
    基礎研究で生きていこうと思ったら、PhDだけじゃなくて修士号とかMMScも必須って海外の大学に言われまじか

〇全く違う分野の勉強をしたい
    学部で一般教養含めた4年間からやるのはだるいよね


そもそもダメなんてどこにも書いてない

さて、いろんな大学の「修士課程の募集要項」を見ていこう。
ここでは特に、「できないだろ」と言われていた医科学修士を取得可能な大学院を中心に見ていく。言わずもがなではあるが、学内での進学は同規定により許可されている。

東京大学大学院医学系研究科
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/

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学部4年生修了以降では、出願資格(6)を満たします。

京都大学大学院医学研究科
https://www.med.kyoto-u.ac.jp/apply/entrance_examination/

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既卒者は1と2、在学者は9, 10 を満たします。

東北大学大学院医学系研究科
https://www.med.tohoku.ac.jp/admission/grad/applicant/

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既卒者は(1)、すでに博士課程を終わっている既卒者は(10)、在学生は(11)を満たします。

6年制学部の卒業者や在学生は、ほぼ全員が、医科学修士を取得可能な大学院の出願資格は満たしている。

そして、「6年制学部出身者は許可しない」など、どこにも書いていないのだ。

変法

留学してぇ

多くの大学では、留学のための休学を許可している。休学してまで留学先で研究をするには、ポスドクなり大学院生なり、留学先における何らかの肩書がなければならない。そこで「修士課程」の登場だ。
6年制学部では、3年生もしくは4年生を終えていれば、日本で「学士相当」と扱われる。これなら、卒業していなくても留学先の修士課程に出願・入学でき、各種奨学金などを利用しながら海外ラボで研究することが可能になる。

学生生活もっとほしい

上記の通り、既卒者は修士課程への出願資格を有している。「なんでわざわざ修士課程を?」と言われようが気にするな。学生としての研究生活を2年は伸ばせる。楽しんでくれ。

実は増えている、MD向け修士号

一部の専門分野においては、修士号を資格のような位置づけにし、修士課程でMD, PhD にその分野の極めて専門的な教育を受けさせるという動きが出ている。下記に紹介するのは「公衆衛生学修士」である。これらの過程は、医師・歯科医師・薬剤師などによる修士号の取得を前提としている。

北海道大学大学院医学院
https://www.med.hokudai.ac.jp/graduate/master/index.html

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東北大学大学院医学系研究科
http://www.sph.med.tohoku.ac.jp/outline2.html#3

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おわりに


(6年制学部の)少年よ、大志を抱け。


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