男子100m 予選結果に思うこと
昨日土曜ですが仕事があり、終わって急いで帰ったころ、ちょうど東京オリンピックの男子100m予選が始まるころでした。結論からいけば、多田・山縣・小池の三選手は予選敗退となりました。私は特に山縣亮太選手のファンで、準決勝・決勝進出を期待して観ていたので非常に残念でした。
山縣選手は、オリンピック前の様々な特番で特集されていましたが、生まれた時には2000gに満たない未熟児で生まれ、とても不安定な状況で赤ちゃんの時期を過ごしていたようです。
その後はすくすくと成長し、地元広島で小学生の時に陸上を始め、高校で国体を制覇、慶應義塾大学に進学したロンドンオリンピックで初の日本代表を経験、その時からロンドン・リオと五輪では準決勝進出と安定して結果を出しており、おそらく三選手の中では一番期待されていたと思います。
山縣選手は基本的に技術面に関するコーチは付けずに、練習の時から自分の動きを撮影して繰り返し見ながら動きを修正する、という考えながら練習する形をとっています。自分でしっかりと客観視できていなければなかなかできないスタイルだと思います。人間は、自分ではこう動いていると思っていても実際は違う動きをしてしまっているということが多々あって、映像を見ながらでもそれを自力で修正していくというのはそう簡単なことではありません。本当に自分の身体を知りつくし、かつ競技について考えに考え抜いているからこそですね。
そうやって作り上げた走りは、上下動のほとんどない本当に美しい走りです。ほかの国内や海外のライバル選手は、スプリント競技という特性上、力感が伝わるフォームになるのですが、山縣選手は本当に全く無駄がなく、後半にかけてすっと伸びていく美しいフォームだと私は思います。
そんな彼が、今回の予選では後半の伸びが少しなかったように思います。予選敗退は非常に残念ですが、日本のお家芸である4×100mリレーが残っています。個々の走力では劣りますが日本の連携であれば、今大会もメダル争いに絡めるのではと思います。個人種目の雪辱をぜひリレーで晴らしてほしいと思います。
また、中継を観ていて思ったのですが、現場の某キャスターが、地元広島の山縣選手のご両親とつながった時の対応が非常に不愉快なものでした。予選敗退が決まってすぐで、ご両親もショックでなかなか言葉が出ない状況のなかで、不躾にいろいろ聞こうとしているのです。本当にいらいらしました。選手の家族と中継をつなぐようなこともあるでしょうが、その時の対応は、もっと相手の気持ちも考えたものにしてほしいと思います。非常に残念な気持ちになりました。