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イラスト構図練習の観点でグランド・ブダペスト・ホテルを観る

映画のワンシーンのようなイラストを描きたい。

同じように考えたことがある人もいるかと思います。私は元々映画を観ることは好きでしたが、画面構図についてはなんとなく好き、くらいの解像度でしか考えられていませんでした。

先日のイラスト添削をきっかけにもっと具体的に構図を勉強してみようと構図勉強の有名本『Vision』を読みました。理屈が多少頭に入ったので、次は実践として映画を観ることに。

手始めに少し前に会社で同じ課のメンバーから勧められていたグランド・ブダペスト・ホテルがU-NEXTにあったので観てみました。

というわけで今回はイラストの構図の練習という観点でこの映画について書きたいと思います。

左右対称を中心とした綺麗な構図

中央に位置するドア、中央に位置する左右対称の建物、中央に垂れ下がる縄梯子、画面中央を走るケーブルカー……

グランド・ブダペスト・ホテルには左右対称の構図がたくさん出てくる。もちろん、左右対称以外の構図もすごく素敵だ。

私はわりと描きたいキャラを真正面中央に配置しがちなのですが、自分が描くと証明写真か? みたいな感じになってしまう。この映画の構図の良さを吸収してもう少し良い感じの絵が描きたい……。

というわけで、イラストの構図の勉強として簡単に好きなシーンを描いてみました。

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まずはやはりタイトルにもなっているホテルのシーン。画面中央に堂々と建つ。色合いも相まってとても好き。

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雑すぎてなんだかわかんないと思うがこれは登山列車です。形が可愛い。

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これは博物館のシーン。スリルのあるシーンでもあるが、画面がずっと綺麗でその視点でもとても楽しめる。

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ホテルで語り手である小説家とゼロが話しているシーン。これも左右対称。

美しい色彩

構図の話ばかりになってしまったが、この映画は色彩もとても印象的だ。
ヘッダー画像に使ったホテルの色とか。あとは物語終盤でのお菓子屋「メンドル」の箱を積んだトラックにゼロと彼女のアガサが落ちるシーンとか。

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これも左右対称ですね。

私の絵で伝わるかは微妙ですが、このようにストーリー以外の部分でも楽しめる映画だと思う。

ストーリーとしても、イラスト練習の観点でも楽しめる

これは構図の話とは関係ないが、ストーリーに関しては私はグスダヴとゼロの逃亡時の寝台列車のシーンが好きだ。

「だからと言って責める気はない。根性と度胸がないだけだ。あいつは悪くない」
「場合によりますよ」
「場合によるか。世の中のたいていのものごとはそうだ」
「なんだって場合によると思います」
「ああ、なにごとも場合によりけりだ。あいつに会ったらまずは一発ぶん殴ってやろう」

こういう会話めちゃくちゃ好き。ストーリーとしても楽しめました。


今回構図の視点で映画を見てみて、元々好きな映画を今度は構図の視点で観返してみたりしても良いかもなあと思いました。

グランド・ブダペスト・ホテルは構図、それから色彩に注目して観てみるのもおすすめです。気になった方はぜひ。


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