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お腹も心も満たしてくれて、お節介はデフォルト。シェアオフィスのお母さんがすごい

関内のシェアオフィスG Innvation Hub Yokohama(以下G)は、2019年にスタートし、この6月で5周年を迎えました。
これまで、入居者さんや、Gとかかわり深い関内で働く方々をインタビューしてきましたが、今日から4回にわたりスタッフを紹介します。実はスタッフたちは、意外にも??共通点が少なく、あるとすれば、子育て中の親ということくらい。けれど、その異なるバックグランドが、Gの多様性、入居者の幅広さに繋がっていると思うのです。第1回目の渡辺由佳さんは、Gを運営するリストで長年不動産業務に携わり、今の肩書は、「シェアオフィスのみんなの母」。母っていったいどんな仕事?


朝のコーヒーを淹れながら入居者との会話を楽しむ

同じ社内でも全く異なる仕事環境ー。「Gって何だろう」と手探りの日々

新卒でリスト株式会社に入社して、自社の戸建てやマンションの売買、一般仲介物件の販売、賃貸業務に携わってきました。出産を経てバックオフィスで賃貸管理業務を担当するようになり、リストには20年ほど勤務しています。その中で、Gのファウンダー相澤毅さんと一緒に仕事をした時期がありました。シェアオフィスオープン後、相澤さんから「Gに遊びに来ない?」と連絡があり、相澤さんやスタッフと話したのがきっかけでした。私はGが立ち上がった経緯も、シェアオフィスの運営がどういうものかも全く知らないなかでのスタートでした。しかも私が働き始めた2021年1月は、新型コロナが大流行していた時期で、Gの中も人がまばら。社外の人と同じ空間で働くことも初めてでしたし、リストの社内とは雰囲気が全然違っていて、ずっと「Gって何だろう」と疑問に思っていました。周囲からは「そのうち分かるよ」と言われたものの、1カ月過ごしても全然分からなくて。そんな中、一緒に働いていたスタッフが退職することになったんです。スタッフは私だけとなり、Gの説明もままならないという状況で、毎日「どうしよう」と思いながら過ごしていましたね。

分からないことは入居者に聞く!積極的に話しかけて存在をアピール

結果的に、入居者の顔も名前もGのことも分からないのに1人でこの場を切り盛りしなければならない状況に追い込まれたことが、私の転機になりました。「私は私らしく、自分の存在をここでアピールしよう」と気持ちを切り替えて、ひたすら掃除をしつつ、積極的に入居者に話かけることにしたんです。もともと誰にでも自分から話しかけていける性格なので、コーヒー機器の使い方とか、さまざまなことを入居者に教えてもらいました。
勤務経験のある賃貸課と、場所を貸して管理するという点は同じでも、賃貸物件の管理とGの運営は全く違います。入居希望者に部屋を案内する時、物件探しと同じ感覚でやっても違和感がある。何が違うかというと、Gは人がいてこそのコミュニティなんです。どの部屋にどんな人がいて、どんなことをやっているというのを把握して案内することが重要だと気が付いて。入居者と会話をすることでそれが少しでも分かればいいなと思っていました。不動産の賃貸や売買は契約を結べばほぼゴールですが、ここは入居してからがスタート。スタッフである私もこの場に共存していて、入居者たちを応援している感覚です。

互いを知って新たなビジネスも生まれる「入居者交流会」をお膳立て

入居者交流会のご飯は手作り。昼前にはリビングから美味しそうな匂いが…

私の名刺に書かれている肩書は「みんなの母」です。みんなの仕事場がここである以上、愛着をもって快適に仕事をしてもらえるようにしたいですし、場の雰囲気を明るくできるように、自分自身が太陽のようにいつも笑っていたいと思っています。Gは完全個室ではないので、互いを知っていたほうが良いと考えて、コロナが少し収まったころから少人数の入居者交流会を開いてきました。知らない人といきなり話をするのは難しいと思うので、キッチンで私がご飯を作ってそれを食べながら他愛もない話をしてもらって。働く場所って別にどこでも良いと思うんですよ。それでも「関内にある、Gで働きたい」と思う理由は、設備などのハード面が良いだけではないですよね。Gのように入居者同士顔が見えてつながれるシェアオフィスは多くありません。人がつながることでビジネスに発展した例もたくさんあるので、Gでは人のつながりを大事にしたいですし、スタッフとしてその支えをしていきたいです。

困りごとも誰かが助けてくれる、町のようなコミュニティ

交流会の企画進行も。入居者同士話しやすくなるしかけを作る。

私の住む町は、何かあれば周りの人たちが気にかけてくれるような近所付き合いのある地域ですが、Gはその距離感ととても似ていると思います。まるで都会の中にある「小さな町」のようです。さまざまな住人がいますが、「長」はいなくて。それぞれ得意としているがあって、「〇〇に困っているんだけど」といえばすぐに誰かが助けてくれる、そういう人たちが集まっている場所です。コロナの影響を受けなくなった今は、ここに来たから知り合えた人たちの活動が活発化しています。交流会で顔を合わせたことをきっかけに新たなビジネスが始まったり、業種はバラバラなのに部屋が近い人たち同志で気が合って仕事後に飲みに行ったり、一緒にランチを食べたり。人のつながりによって新たな化学反応がそこらじゅうで起きているのが面白いですね。


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