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SNS時代の「公式サイト」の重要性について

公式サイト重視の大原則

どこの何の話というふうに具体的に思い浮かべずに読んでほしいのだが、今回は修斗情報じゃないことを書こうと思う。

結論として声を大にして言いたいことは、「公式サイト」を大事にしてほしい、ということだ。

重要な情報は、まず最初に、公式サイトに書く。
細かな情報は、公式サイトに正確に書く。
公式サイトに載せた情報を、SNSで発信する。
先にSNSに載せた情報は、公式サイトにも書く。

これが、基本で、全てと言って良い。

どう書くかは、サイト設計と運用の問題もあるので、ここでは細かく触れないが、大原則として、あるイベントの情報を網羅的に一元化するのが公式サイトの役割だ。
誰かが何かを知りたいと思ったとき、とにかく最終的に公式サイトを見れば全てがわかる、という形にするのがベストだ。

SNSとの連携

そうは言っても、SNSの方がみんな見てるし、情報を早く知らせるには、SNSがベストでしょ?

と、思うでしょ?

実際、その通りだ。最新の情報を最速で発信できるのがSNSの強みである。
何より、みんな、公式サイトなんか見ないでしょ?って言われそう。

でも、そのSNSの発信は、基本的に、確実な受信を約束しない。(ネットの発信は皆そうだが。)
また、古い情報と新しい情報が区別なく微分化されたまま混在する。要は、情報の現在の正しさを担保する力がSNSにはない。「受け取る側にとって最新の情報」に過ぎないケースが起きうる。

たとえば、Aというイベントの開催日に台風が近づいている。AのSNSでは、36時間前には、「現在、計画通り開催の予定ですが、今後の天候を見ながら決定します」とポストしたとする。次に、24時間前に、「一部交通機関が計画運休が予想されるため、開始時刻を3時間ずらします。」と発表したとする。そして、12時間前には、「安全を考慮した結果、本イベントは中止といたします。」と発表したとする。
さて、このイベントに参加しようと思っていたお客さんは、皆、中止になったことを把握しているだろうか。
常に新しい発表を追ってくれるような丁寧なお客さんばかりならばよいが、そうとも限らない。もっと言うと、新しい情報が、SNSの検索結果に最上位に現れるとも限らない。知りたくても知ることができないことが起こりうる。知らずに、土砂降りの中、会場に来てしまうお客さんもいるかもしれない。

結局、こういうSNSだけを利用した発表というのは、不確実性を増し、責任論の根拠を怪しくする可能性がある。発表した、いや、聞いていない、そういう言い争いが生じることもありうる。
利用するSNSの数が多いほど、この情報の分散化リスクはより高まる。公式サイトにしか書いていなければ、それが確定事項として判断すれば良いのだが、SNSでは、複数の時間帯の様々な情報が混在してしまう。

SNSのメリットとデメリット

たとえば、数年前の大会の情報を探し出したいとき、SNSで調べるのと公式サイトで調べるので、どちらが情報的に収集性に優れるだろうか。

SNSで検索して、複数の匿名のアカウントが、部分的に、そのイベントについて言いたいことだけを言うポストの中から、その当時のイベントの正しい姿を再構築するのは本当に大変だ。
だが、公式サイトに情報がまとまっていれば、何時開始で、どこが会場で、どんなカードが組まれ、どのような結果だったのかが一目瞭然だ。
これが、将来行われるイベントでも同じだということは、容易に想像がつくだろう。

常に最新の情報が正しいことを担保し、細々とした情報も、同じサイト内に集積されてストックとなり、そのアーカイブが検索されやすくなるところに公式サイトは意味がある。

ところが、運用する側も手軽だから、SNSでしか発表しないケースが増えている。そして、これが、公式サイトには反映されていないことが少なくないのだ。SNS→公式サイトという順番は、かなりの確率で省略されがちだ。
それゆえに、「SNSには書いてあったけど、それって本当?」という疑問を抱かれるのも常である。

もう一つの問題として、特に、最近は、「おすすめ」と称して勝手にタイムラインを構築されることがあり、たまたまそこで目にしたポストが、一度リロードすると、もう二度と巡り合えないなんていうこともある。そんなときに、より一層、不確実な情報のおぼろげな記憶だけが出回りかねない。思い出そうにも、きっかけとなるキーワードも出てこなかったりする。完全一致しか許容しない検索では最悪の結果となる。本来、そんなときでも役に立つのが公式サイトなのだ。

SNSの速報力、拡散力などは便利な反面、それ故に抜け落ちるものがある不安定な状況の中で、情報発信をSNSだけに頼るのは、相当リスキーなことだと、個人的には考えている。

情報発信の主としての「公式サイト」、従としての「SNS」

繰り返すが、SNSだけで情報発信することで、時間軸が入り乱れた散発的な情報が、それぞれの正確性を担保されない形で混在し、しだいに意味消失していくことは望ましくない。
散弾銃のように打ち出された情報は、初速は速いが、やがて失速し始めると情報の信用力が低下し、いずれ情報の荒野に落ち、古の情報の形をした残骸となるのみである。
確かに単発的に、情報を発信するにはSNSは向いているが、ストックには向いていない。あくまでも、フロー、それも瞬間的なの概念なのだ。

では、公式サイトとSNSをどう組み合わせればよいのだろうか。

個人的には、まず、公式サイトで情報を確定し、更新する。その更新を、SNSで知らせる。その順番が理にかなうと考えている。
また、SNSでは文字数の制限などもあるし、表現に限界がある。そもそも、限られた時間の中では大事なところを読んでもらえずに流されるというヒューマンエラー的ケースもある。そんな時、「公式サイトにはしっかり明記されてます」というのは、大事なリスクヘッジでもある。

あくまでも、イベントの重要な情報は、公式サイトありき。
そのうえで、新しい情報を、公式サイトから切り出し、SNSで告知、発信する。それが、望ましい姿だと、個人的には思う。

手前みそだが、自分のnoteでは、それを目指したところもある。とにかく、最終的には、このnoteを読めば、大事なことは全部書いてある、それができればよいな、と思った。

幸い、サステインは古くから公式サイトを持ち、越後風神祭り、THE SHOOTO OKINAWAも公式ブログを持ち、そこに集約していようとしている。とても良い方向だと思う。
情報集約の一元化、閲覧可能性、アーカイブの検索容易性など、課題は多い。横断的に他のプロモーションを渡れるともっと良いな、と思う。けど、そこまでは難しいだろう。
まずは、大会ごとに、きっちりと情報がまとまったサイト(ページ)の構築を目指したい。


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