0から始めた動画編集の軌跡その7 ~ MVの音源はちゃんと録らないと!!
そのころは、MV制作の勉強になるかなと、いろんなアマチュアバンドの動画とかも、見まくっていたんだけど、その中で、これしかない!って思う動画をあげている人がいた。
それもごく身近に。
それは、Aさんが今も続けている、洋楽コピーバンドGGBのメンバーのNさん。Nさんは特に宣伝もせずにYouTubeに淡々と自分のバンドのライブの動画をあげていた。
ん??
自分のバンドだよ?
自分は演奏中だよ?
つまり、固定カメラで撮りっぱなしのはずなのに、Nさんの動画は、なんか画面がパーンしたり、アップになったり、切り替わったりしていた!!!
映像の切取り方も的確で、凝ったエフェクトなどで目くらまししなくても、それがライブ当日の臨場感を醸していて、凡百のバンドライブの動画とは完全に一線を画していた。
この人しかいない!
それまで、歌も楽器もできない私は、ステージにあがるミュージシャンの方々にたいして(たとえアマチュアでも)、自分は下賤の民というか、
キラキラしている方々と友達のように交わるとかは、ちょっと物怖じしていて。SNSも苦手だし。
顔も名前もわかっていても、ほとんどの方々とろくにお話もしたことないような状態。
でもAさん経由で相談したら、快くOK貰えた。
そしてNさんと色々お話出来るようになった。Nさんは今も、私には師匠のような存在です。お世話掛けてます!
私が作った、借り物切り貼りメインのMVもどきは、このNさん制作のライブの動画と差し替える形で、お蔵入りにした。
改めて、正式のMVを作りたいとNさんに相談した。
「ちゃんとそれぞれ録音して編集した音源がいるね」
とNさん。Nさんは過去にも友人のオリジナルCDなどの制作を手伝ったりしていて、そっち方面も詳しいようだった。同じことは、前々から、作曲者のBさんも言っていた。
一方、そこそこいい年のAさんやHさんは、”一発どり“とやらにこだわっていた。紆余曲折、話が進まない中、
BAHTがいつも、練習でお世話になってるスタジオの主Kさんが、ある日、自分の趣味だといって、スタジオの機材で、”一発どり“ながら16チャンネル?使って??ライン録音をしてくれた。が、バンドは、ただ練習しているだけ。そして音源はギガファイル便で、送ってもらった。
が、開かない。
壊れている?特定のソフトウェアが必要?
手が出ない。
Nさんに相談したら、見てくれた。
ここからは私には魔法のようにしかおもえないので、上手く説明できないけど、Nさんにはファイルが開けられて、それを作曲のBさんと何かBPMとか、えっ-と呪文のような言葉でやり取りしながら、その環境下から、NさんとBさんが手間暇掛けて、やっとサルベージして1曲の元音源が出来た。それが2023年の3月終わりのことだった。
そのころ世の中では、生成系AIが、ブームとなりつつあった。
たった半年の間に、生成系AIを取り巻く状況は、みなさんご存じの通り様変わりしてした。
一般の人たちが、次々と実用に耐えるレベルのAI画像を公開し、それをもとにアニメや絵本やグラビアまで出ていた。使い勝手もどんどん良くなっているようだが、私のPCのスペックでは手が出ない。突然の大量のハイスペックな画像の奔流!
その状況の中で、私はすっかりやる気を失っていた。
私は自分の望むような美しい映像を撮影することも、創作することも、現時点では出来ない。熱量をもって取り組めば、いずれたどり着けると自分を鼓舞してあれこれ手を出しまくってきたけれど、AIのスピード感、現時点の完成度、そしてこの先に出来上がるもののことを考えて、すっかり萎えてしまった。
このころには私は、自分は動画編集が好きだとはっきり自覚していて、もっと本格的に取り組むつもりでいたのだけど、元から周回遅れの知識と道具、さらにどんどん加速度をつけて完成度をあげるAIの生成物を見て、
絶望した。
私があと数年かけて、自力で自分の納得できるものを世に出せるようになるころには、私の技術も知識も不要になっているのだろう。と
例えるなら、ミシンで5分で縫える物を、何日もかけて手縫いして、しかもミシンよりもヘタクソなものしか仕上がらない というような状況になるのかもしれない。
趣味だからいいでしょ!と うそぶくしかないようなことになるなら、すべて無駄だと思った。
世界の偉い学者たちが、AIが人間を滅ぼす可能性について警鐘を鳴らすような記事もあった。
私のような、にわかでもこんなに萎えるのだから、創作に人生捧げてきたような人たちの悲しみはいかばかりかと思いを馳せ、もしも人間が滅ぶなら、きっと失望の果てに、何もやりたいことがなくなって自滅するのだろう とも思った。(続く)
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