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giftee Tech Vietnamが設立されました

giftee engineer blogから転載
(この記事は2023年に取材・執筆されたものであり、記事内の部署名や役職は当時のものです)

こんにちは。ストリートファイター6では今の所2キャラでMASTERのギフティ CTO 柳瀬です。

会社としてのリリースの通り、弊社では本年ベトナム・ホーチミン市に開発拠点の立ち上げを行いました。この記事では改めて、立ち上げの背景などについてご紹介できればと思っています。

背景

IR資料などにも記載の通り、ギフティでは海外展開を成長戦略の一つの軸としています。その戦略に基づき、5年ほど前にマレーシアに現地法人を設立し、現在ベトナム、そしてインドネシアにも事業展開をしています。

海外展開を始めた当初は日本のプロダクトで海外向けも提供する形であった事もあり、プロダクト開発にかかる機能は引き続き日本側で担当することになりました。しかしながら海外事業の成長に伴い東南アジアマーケット理解が進むにつれ、日本とは異なる独自のプロダクトや機能が必要とされるようになりました。

一方で、そういった開発を日本の開発組織で進めていく事は非効率であろうという判断に至りました。ギフティの事業特性上eギフトとして取り扱わせて頂く飲食流通各社様や、キャンペーンのインセンティブとしてeギフトを購入頂く各社様の事情やニーズの理解がエンジニアにも一定必要になります。海外におけるこういった部分の状況を日本に居ながら理解するのは二階から目薬感が強く、コアなプロダクトを上手く育てられるイメージが持てませんでした。

また全く別の話しとして、日本国内の開発組織が恒常的なリソース不足状況にある、という課題もありました。国内開発組織で全てを開発しきる事は困難な状況であり、アウトソースという選択肢も既に併用しています。もちろん、国内開発組織の拡大には引き続き注力していくものの、それ以外の開発組織の選択肢を増やし、国内開発組織をコアなプロダクト開発により注力できる状況を目指す必要がありました。

そのため、2019年頃から東南アジアでの下記のミッションでの開発組織立ち上げの検討を開始されました。

  • 海外事業向けのプロダクト開発

  • 国内事業向けのプロダクト開発の内、切り出しに適したプロダクトのオフショア開発

その検討の結果、現地視察なども踏まえた結果ベトナムが最も有力な候補国となりました。背景は下記です。

  • デジタル人材の育成が進んでおり、今後もエンジニアの供給が活発であることが見込まれること

  • 親日感情が強く、現地での組織作りや日本側との連携が比較的しやすいこと

  • 事業拠点が既にベトナムに存在しており、事業側との連携が比較的しやすいこと

立ち上げまで

こういった状況を受けいくつかの会社様の海外開発拠点を訪問、お話をお伺いした所、日本人二名を現地に常駐させるスキームが適切であろうという判断になりました。二名の主たる役割分担のイメージは下記です。

  1. 拠点長 : 現地法人運営のための業務や人的マネジメントを担う

  2. 技術リード : プロダクトのデリバリーが安定的に行われるチーム・仕組み作りを担う

幸いな事に従前より海外勤務を希望していたエンジニアが居たため、2に関してはそのエンジニアを赴任させる方向性で検討していました。国内開発組織に関する理解が深い既存メンバーがここを担う方が適切であろう、という判断もありました。

難航したのは1の拠点長ポジションでした。採用チームとも連携し積極的に動いてはいたものの決定には至らず、そうこうしている内に2020年になり、COVID-19の影響によるペンディング期間を挟むことになりつつも、今年2月に7年以上ベトナムで働かれている方を1のポジションで迎え入れる事ができました。彼には3ヶ月ほど日本でオンボーディング期間を挟んだ後、ベトナムに赴任頂き現地法人の立ち上げを実施頂くと共に、まずは管理・採用体制の構築を実施頂きました。最初にキーとなったのは管理部門のローカルメンバーの採用で、現地の感覚を持った信頼できる管理部門のリーダーを迎え入れる事ができたのは非常に幸運だったと感じています。そうした経緯を経て、2023年6月には法人の登記を無事行う事ができました。

尚、詳細な背景はここでは省きますが、冒頭記載したベトナムの事業会社である「giftee Mekong」とは別法人としての「giftee Tech Vietnam」(以下gTV)を設立する形を取っています。

開発チームの発足

法人として立ち上がった事により本格的に採用活動の開始できるようになりました。直近のミッションとしては日本の開発組織で担っているeGift Systemの海外向け開発を現地でできる体制を作る、というものになり、まずはシニアクラスとジュニアクラスのエンジニアを1名ずつ採用し、上記2の技術リードの下チームを組成することを目指しました。当初の狙い通りな部分ではあるのですが、この採用のスピード感は日本とは雲泥の違いを感じました。

スピード感の違いの背景の最大の要因はエンジニア採用における需給バランスの違いですが、日本と違いベトナムでは試用期間の法律が異なること、また最初の雇用契約は有期契約となることが一般的であることから、日本よりもリスクを取った採用判断がし易い事も一因であると感じました。但しトレードオフとして、試用期間の間従業員側が一定緊張感を持って働く形になるため、その時点での心理的安全性の担保や、信頼関係の構築には一定のハードルが存在すると感じた部分もあります。

そういった背景もあり、予定通り9月に2名ベトナム人エンジニアが入社、時を同じくして上記2の技術リードロールのメンバーが日本より現地赴任となり、無事開発チームの立ち上げに至る事ができました。立ち上げ自体は想像以上に順調であり、現在ではもう一名現地エンジニアが加わり現地エンジニア3名を中心に当初予定していた開発が回っている状態です。個人的に特に意識していたのはベトナムの事業会社「giftee Mekong」との密な連携を実現することでした。日本人の関与を抑えつつ、現地メンバー同士でチーム感を持って開発を推進し、達成感を感じて貰うことがgTVの中長期的な組織形成にとって重要であると考えたと共に、その形での開発が現地メンバーにとってもいい機会提供になると考えたためです。来年からは2社が同じオフィスビルになることもあり、より一体感を持って事業推進を行える状態を目指しています。

9月時点のメンバー、現在はもう1名エンジニアが加わっています

今後

冒頭の背景の話に戻るのですが、当初から海外開発拠点に期待されていたミッションの内、海外事業向けの開発機能に関してはチームが立ち上がっているので、海外事業成長と足並みを揃えてチームの拡大を推進して行く事になります。一方でオフショア開発に関しては元々2024年からの着手を目指していたこともあり、来年以降徐々に推進していく事になります。

海外事業向け開発は大半のコミュニケーションが英語かベトナム語で行われるのに比べ、オフショア開発ではブリッジロールの方が翻訳を担う必要がある部分があるため、そこの精度が非常に重要であると考えています。また合わせて、現地開発者が日本側のユーザに関して理解する難易度が高い、といったハードルもあるのですが、gTVの場合オフショア開発であれどベトナムでも事業展開しているeギフト関連の開発がメインとなるため、そこに関してはやりやすく、また現地メンバーからしてもやりがいを感じて頂ける機会提供を行えるよう、引き続き進められればと思っています。

まだ内装工事中ですが、来年からのオフィスです