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情報酔いと離脱現象

 この世界は、情報でいっぱいだ。

 ガヤガヤ人の話す声、爆発のように急に鳴り出す車のクラクションの音、
 目に飛び込んでくる商品棚の色達、チカチカと点滅するライト、
 ただよう香水のにおい、それに混ざる、食べ物の香り。
……

 過敏にこれらを感じ取ってしまう私は、短い外出でもとても疲れてしまい、いつも家にたどり着くころは他の事が出来ない程、ぐったりしてしまう。

 

 特に人混みが苦手だ。
 一人一人に、それぞれ「色」があるように感じる。

 普段は、その「色」のペンキが入ったバケツを持って生活しているが、人混みの中では、バケツの中の「色」が飛び散り、まるでたがいにペンキをかけあっているようになる。
 そのせいで、本来あるべき自分の色に雑色が混ざり、自分を見失ってしまう。

 今ある場所に確かに自分はいるのに、まるで自分じゃないような感じ。
 所謂「離脱現象」が起こってしまう。

 「離脱現象」から立ち直る方法は、とにかく一人でいることだ。
 ざわざわした情報から離れ、脳が少しずつ冷静を取り戻すのを待つ。
 しばらくすると、今・ここ・自分、と認識が正常になる。

 取り囲む情報に飲み込まれないようーー情報酔いにならぬようーー対処として、「注意力の集中」(ハードミント飴を食べて注意力を味覚に集中させたり)、「情報の遮断」(イヤーマフを付けて情報自体を受付ないようにする)等を行っている。

 

 自分自身を守る為に必死なのだ。 

(はてなブログ同時掲載:https://www.gifteddecoboko.com/entry/2019/03/26/080000)

(画像素材元:https://ja.pngtree.com/)

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