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聴覚過敏のせいで、聞こえない

  私は、人の話がちゃんと聞けない。

 ちゃんと耳を傾けているはずなのに、声が遠く感じる。
 途中から話題が分からなくなる。
 話していくうちに頭がぼんやりし始め、目が泳ぎ出す。

 

 それ故、会話中によく「ちゃんと聞いてる?」と聞かれたりする。

 

 耳が遠いのではないかと思われがちが、実はその反対だーー


聴覚過敏のせいで、聞こえないのだ。

 

 所謂「健常者」達は、どうやら必要な音を拾って、焦点を当てて聞くことが出来るらしい。
 電車やレストランのような賑やかな場所で行われた会話を録音した際、会話当時は互いの声がはっきり聞こえたのに、録音を聞いてみると色々な雑音が混ざっていて、声が目立たなくなっていてびっくりしたという実験について聞いたことがある。
 この違いが発生した原因は、ボイスレコーダーには音を選択して取り入れるという機能がついていなかったからだ。

 

 それがまさに聴覚過敏の世界なのだ。
 聞きたい音を上手く拾えない。
 自分を取り囲む環境音を一斉に受け取る。
 たとえ目の前で話されたとしても、周りの声と音と一緒に耳に入ってくるので、どの声が正確なのか見分けがつきにくい。

 

 つい隣の人の話し声が聞こえ、そっちに気を取られてしまったり。
 機械のモーター音が耳元で響き続き、吐き気がしたり。
 高めの声や音が心臓に突き刺さるようで、動悸がしたり。

 

 短い時間で簡単に話すだけでも、相当疲れるのだ。
 間違えてとんでもない返答をし、相手に対して失礼となってしまうリスクもある。

 聴覚過敏自体が完治することは難しいかもしれない。
 けど、工夫によって改善し、症状を和らげることは出来る。

 

 例えば、


頼れる人にはきちんとカミングアウトし、
どうすれば助かるかを詳しく説明する。

 

 私の聴覚過敏を知っている家族や友人は、これを理解し、外食する時もなるべく静かなカフェを選ぶようにしてくれている。
 会社の一部信頼出来る上司にも、出来る限り口頭説明だけでなく、メモを付け加えてもらうようお願いした。

 大事な打ち合わせをする時に


分かったふりをせず、
確認し直すこと


も大事だ。

 

 持ち歩いている手帳やメモ帳に内容を書き直し、相手にチェックしてもらうようにしている。
 文字として残せることが出来れば安心だし、事後も見直せる。

 理解を得られるなら、

イヤーマフを装着する


のも効果的である。

 

 両耳を全部塞いでしまうと会話も聞こえなくなってしまうので、私の場合、片耳にほんのちょっとのスキマを開けて、なんとか丁度良く聞き取れるようにしている。
 これだけでも、騒音を結構防げるので、長時間話していても疲れにくい。

そして


疲れをためず、
ストレスを減らす


ようにしよう。

 

 仕事等で心身共にクタクタな日は、音が特に耳に刺さるのだ。
 だからなるべくリラックスした毎日を過ごすようにしよう。
 これも聴覚過敏を和らげられる。

 

 音に対して鈍感な人もいれば、過敏な人もいる。

 

 それはただ「違う」だけであって、決して「間違い」ではない。
 甘えでもない。

 

 大事なのは、自分がどう聞こえているのかを把握すること。
 不便なところがあれば、自分に合った方法を見つけて対処することだ。

 

 同じ声・音でも、それに対しての聞こえ方は本当に人それぞれ。
 それだけのことなのだ。  

(はてなブログ同時掲載:https://www.gifteddecoboko.com/entry/2019/04/23/080000

(画像素材元:https://ja.pngtree.com/)

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