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20代の私に、お疲れ様

 この記事を書いている今、私は29歳である。
 来年でいよいよ30歳を迎え、私の20代生活がこれにて幕を閉じようとしている。

 20代の日々は、本当に長かった。
 10代迄が幼虫としたら、20代は蛹真っ只中で、中身がドロドロに混ざっていて自分が何者かが全く分からない状態なのだ。

 

 きちんとした形になっていない。
 にも関わらず、体力も時間も無駄な程有り余っていて、狂ったように当てもなくエネルギーを持て余していた。

 

 30代を迎えると、過ぎ去った若さを嘆き、「もう一度20代に戻りたい」と言う友人が多い。
 が、私はかえってほっとしている。

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ようやく未熟で無知で愚かな自分と
別れることが出来るからだ。**

 

 惜しむものも、何もない。

 

 20代の自分が嫌いだ。

 

 慚愧に堪えない「黒歴史」を生み出したのも20代の時。
 あの頃してきたことを、全部無かったことにしたい程だ。

 

 本当にやりたい放題だった。
 あまりにも暴れ過ぎていた。

 

 傍若無人だった20代。
 偉そうにしていた私は、自己主張が激しく、あちこちぶつかり、衝突を繰り返していた。

 

 自業自得だが、たくさん傷ついて、いっぱい泣いた。
 その後満身創痍になって、落ち着いて初めて、自分の醜さが目に入るようになった。

 

 今になってようやく足が地についた気がする。

 

 「私」として、「人」として少しずつ形が整え始めた。
 「生きている」実感も湧いてきた。

 

 はっきりと白黒つけることだけが正義だということではないことを知った。
 悪口に対しいちいち言い返さずに、冷静でいられるのが本当の強さだということを学んだ。

 

 低く謙遜になった方が人間として大きいこと知り、
 命を削って過ごしている時間の一分一秒がとても大事だということが分かった。

 

 一挙に成功するのを期待せず、
 確実に着々と努力出来るようになれた。
 
 いつもベタベタしているもの同士が必ずしも親しいとは限らず、
 淡々としていてもいざという時頼りになれる仲間がいることを知った。

 

 けど、これらを悟れたのは、ボロボロに戦ってきた20代があったからこそだ。

 

 好きにはなれないが、あの頃の自分は本当に頑張った。
 それは認めるとしよう。

 

 そんな20代の私に、お疲れ様。 

(はてなブログ同時掲載:https://www.gifteddecoboko.com/entry/2019/12/24/080000)

(画像素材元:https://pixabay.com/ja/)

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