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今思い出しても・・

これはどこかのあほんだらーな親が、中学受験を目前に控えた子を一人家に残して遊びに行った話である。

夫の学生時代の友達が数年ぶりに家族と一緒に一時帰国するとのことで、家族ぐるみで集まって東京ディズニーシーで会おうという話になっていた。

それはそれで、ただ時期が時期だし、てっきり夫が下の2人だけ連れて行くのだろうと思っていた。しかし夫が「姫子(長女)のトイレの付き添いが男親では・・・」と言うので、そんな理由でというのと、長男はどうするんだというので内心悩ましいなと迷ったのだが、結局同伴することにした。

友人は数年に一回しか会えない、長男は本命校の受験まであと一ヶ月はあるということで、最終的には長男も留守番は平気とのことだったため、一日だけ例外にしたのだった。

当日は数時間おきに長男に電話しつつ、こちらはせっかく来たのだしとアトラクションやショーを満喫していた。複数家族がそれぞれ子供を連れてきていたのと、夫は海外育ちのお子さんに沢山話しかけたり、子供達が最高の時間を過ごせるようにとエンターテイナー兼案内役となって動き回っていたため、確かに私がいなければ不便もあっただろうと思った。

あれよあれよという間に遅くなり

当初は長男をそんなに長く放置してはいけないと、夕飯までには戻るつもりだったのに、何だかんだ夕飯も現地で食べ、さらには丁度出ようとした所で迫力ある水上ショーが始まったからと、それも見てからの帰宅となり、さすがに帰りの電車の中で夫婦で猛省、長男には申し訳ございませんでしたと謝罪したのだった。

長男も日中こそ羽を伸ばして過ごしていたようだが、想定外に遅い親の帰宅には多少の困惑の色を見せていたように思う。

最後に乗ったタワー・オブ・テラーが中学受験の序章だったとは

そしてこの日最後に乗ったのが「タワー・オブ・テラー」だった。元々絶叫系は苦手で、フリーフォール時にはシートベルトを握りしめて耐えていたのだが、目の前で手荷物が宙に浮いた時には一瞬だけだが感動した。

そして絶叫系はしばらくごめんだと思っていたのに、この先の長男の中学受験が「タワー・オブ・テラー」になるとは想像もしなかった。

まずい状態になっていると気づいたとき、家で過去問を解けば順調なのに、本番で算数だけが顕著に出来なくなる原因が分からずお手上げに近い状態になったこともあった。とにかく今思うのは、本命校の前に前受けという形で複数校の受験を経験していて良かったということ。

特に、本番環境で得点開示のある学校を受けることの重要性を痛感した。実はそういった学校があることを割と直前まで知らなかった。普通は得点開示はされないが、一部の学校は本番でありながらも模試のように得点を開示してくれ、さらには順位も出してくれる学校もある。

生徒もこれを目的に受けているし、学校側も受験生が前受けとして受けていることを認識していて、戦略的に活用しているパターンとも言える。

我が家は得点開示があったおかげで、長男が算数で点数を落とす原因にようやく迫ることができたと思っている。おかげで本命校までの間に戦略が立てられた。もちろん親は素人なので的外れなことを言っているかも知れないが、本番にしかない空気を経験してみないことには分らないこともある事がわかった。

思えば、算数以外は特に戦略等々は必要なく、自然体で解いて行けば良かった。算数も当初、同じような感覚で進めれば良いのだろうと思っていた(少なくとも親は)。

しかし算数だけはそれでは上手く行かないことに気づくことになる。時間制限の中で、まずは問題の難易度を見極め、”取捨選択”しなければならなかった。取捨選択なんて他の科目では考えたことがなかったのだ。

しかし算数については、そして長男については、真逆の発想が必要だった。いかに勇気を持って捨てさせるか、いかに確実に抑えるべき問題でミスをしないように意識させるか。

つまりは仕方なく取捨選択するのではなく、戦略的にそうする事が正しいと認識させることが鍵だった。親もそれを一貫して後押しする姿勢を示すようにシフトすることになる。

本当に、「○割捨てろ!」「○○割以上取ったらいけない!」という会話が飛び交っていた。

このようにシフトしたのは本命校の受験の2週間前くらいではなかったかと思う。