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長男のために立ち上がってくれた友人(1)

長男には同じクラスにSちゃんという友達がいる。Sちゃんとは幼少期からの知り合いだったが、小学校ではクラスがずっと別だったため、私自身もSちゃんママとはたまに話す程度でご無沙汰していた。

今年度、同じクラスになったと聞いた時には嬉しい反面、長男についての良からぬ噂を耳にしているに違いないと思い、我が家とは距離を置きたいに違いないと思っていた。時々話せばまだ見放されてはいなさそうであることが感じられたが、幻滅されるのも時間の問題だろうと思っていた。

尊すぎるSちゃんママ

そんなSちゃんママが冬の個人面談で、我が家の長男のことを話題にしてくれたと知った。

当時、一足先に個人面談を終えていた我が家は惨憺たる状況だった。長男に対する投薬の話まで学校から出る始末で、その他諸々あって親も噴火が止まらなくなっていた。

そんなことは一切知らないSちゃんママは、面談で担任の先生に、我が家の長男がいかに素晴らしいかという話をしてくれた上で、「あの子の個性をどうか伸ばしてあげてください」と言ってくれたそうなのだ。

先生はまさかSちゃんママから我が家の長男の話が出るとは思わないし、親同士が親しいとも知らなかったから仰天していたそうだ。特に直前の我が家とのお通夜のような面談の後には尚更のことであっただろう。

わが家も驚いた。何をそんなに褒めてくれたのか、そもそも、長男の「個性」というほど何か感じるものがあったのだろうかと不思議に思った。

面談で話題にしてくれた事は、たまたま旦那がSちゃんママとばったり道で会った際に聞いて帰ってきていた。それで私からお礼の連絡をして、色々と相談させてもらう日々が始まったのだった。

Sちゃんママには過去にも悩み相談をしたことはあったのだが、ここ最近の状況がどうなっているかは特に話してはいなかった。それで酷いものでという話をして、長男の素行に頭を抱えているという話もしたところ、「清廉潔白な子なんてこの世にいないからさ~」と笑って受け止めてくれたのだった。

我が家は長男に対して怒り心頭になると、もう長男が悪の権化のようにしか見えなくなることがある。そんな最中に電話をしても大爆笑で聞いてくれて、我が家がそこまで深刻に思わなくても良かったのかなと思わせてくれたのだった。

そして、いかなることがあろうとも、「ドラ(長男)ちゃんのことは信じてるよ。あの子は大丈夫、小さい時からドラちゃんのことは見てきてるもん。優しい子だって私は知ってるよ。」と力強く言ってくれたのだった。

私と夫が長男に対して強烈なアレルギー反応を起こしている時でも、本当にタイミングよく電話をくれて、「親だけは親バカでいてあげないと。ドラちゃんが大人を信用できなくなっちゃいそうだよ!」と、我々親の怒りを鎮火してくれたのだった。

(2)につづく