大人になったら自分の心に嘘つかないといけないってこと?(2)
仰天発言「何の得にもならないと思うから」
音楽会や体育会のダンスに乗り気でないことについて、病院の先生から「どうして音楽会は出たいと思わないの?」と質問があった。
実際には本番で参加はしたのだが、大体こういった集団での出し物になると長男は練習の段階からやる気を見せない。(もう少し丁寧に書けば、上から決められた共通の課題を決められた通りにやるだけと感じられる、管理されたような、主体性の感じられらい状態に、長男は意義を感じていない。管理されず、生徒主導であれば話はかなり変わる可能性がある。)
先生はこの手の行動パターンは高IQの子だとありがちだし仕方が無い面もあるとおっしゃっていた。
そして本人に理由を述べさせたところ、長男はやりたくない理由を「何の得にもならないと思うから」と答えた。
この発言には面食らってのけぞってしまった。損得勘定で答えるとは思いもしなかった。散々損失を出しておいてどういうことだ?
先生はこんな風に諭していたと思う。「学校でやることって、ほとんどが得になることはないと思うんだよね。ほとんどは協調性を身につけるのが目的だったりするでしょ。学校はそういう所だと思って、ある程度みんなと同じことして、ルールを守るっていうことも必要になると思うよ」と。
図書室の利用ルールについても、長男が自分がリクエストした本が新刊で入ったのが嬉しいと話すと、「ルールを守らないと読みたい本も読めなくなるかもしれないけど、守って読めば、また本もリクエストできるかもしれないし、ルールを守って読むのか、守らずに読むのか、どっちの方が得かって考えてみたら良いんじゃないかな」と先生はおっしゃっていた。
先生は、毎日のことになると親や学校の先生は長男の対応で大変かもしれないが、たまに話を聞く分には面白いし、やっぱり実験も含めて普通思いつかない発想をする部分が多分にあると思うとおっしゃっていた。それを周りがどれくらい受け入れられるかということにもなるし、先生自身は長男が変わる必要があるとは思わないとおっしゃった。
総括すると、長男は長男らしくて良いから、上手い事フリをして、立ち回っておこうねという話しだった。親については、ブレーキ役も必要だから今まで通りで良いだろうとのことだった。
先生の見解としては、長男は自分の気持ちをちゃんと言葉で伝えられるし、こだわりでやってしまうとか、衝動的にやっているのとも違うから、ある意味性格ということで、薬でどうこうというのも違うだろうとおっしゃっていた。
あとは、何度注意されても直らないという見方については、もしワーキングメモリーが低いと、何らかそこに原因があることもあるらしいのだが、長男の場合、WISC-IVのワーキングメモリーが150台前半であるため、「言われたことを忘れてるわけではないよね」とおっしゃっていた。
長男は自分の関心のある事は秒速で記憶するが、この記憶力を生活全般に使っているかというとかなり怪しい。
(3)につづく