四苦八苦のアルバイト2

一強打破の崩壊

前回の続きです。夏休みの8月。丁度今ぐらいの季節でしょうか。改造した原付きバイクの音、単車が数台来ました。うちはこうしたお客様はあまり来ないので、珍しいと思っていたのです。
すると、サーファー風のギャル男とガテン系の人(ヤンキーが入ってそうなイメージ)が寅壱のニッカポッカを履いて数名来店しました。

明らかに柄が悪いのですが、カー用品と日曜大工のコーナーを探してました。するとNさんに話しかけたのです。

「よぉ!まだ閉店じゃないよね?」

「カー用品どこにあんの?」

Nさんは、彼らに話しかけられてびっくりしていたのです。どうやら年が10以上も下であるにもかかわらずあまりにも気合が入ってる威勢にビビっていたようでした。しかしながら、私は見覚えがある顔の人だなと思いました。

N「あ、あ、あ、カー用品は、彼に聞いてください。」

(おい、俺に回すなよと思った瞬間)

I「あれ、お前智聖じゃね、久しぶりじゃん。」

あまりにもガングロ(多分仕事焼けだと思いますが)で最初わからなかったんですが、同じ小学校の同級生でした。他のメンバーも、おそらく小学校の別のクラスメートでした。

O「マジで智聖だ。超久しぶりなんだけど。」

I君は、卒業してから違う地域に引っ越しました。けれども、あっちの区域でグレてしまったのは噂で聞いてました。中学の頃は、よくゲーセンで見掛けたものです。

O君は、暴走族やチーマーではないですが、中学校の時それなりに喧嘩やカリスマで馴らしたイケメンでした。柄は悪いですが、根は悪くありません。

自民党で言う派閥こそ、私とは違いましたけど、Oは、地元仲間のSとバイトのSと同じ中学校です。彼らは、小学校が同じなので、町中では挨拶する仲でした。

I「高校とかいってんの?俺ら職人なんよ。」

O「いや、智聖が、ここでバイトとか初めて知ったわ。」

どうやら明日使う現場で、消耗したものを買いに来たようです。カー用品と日曜大工コーナーを教えました。用が済んだら会計して外に出てしまいました。

すると、遠目に先輩バイトのNが見ているのです。

N「お前、あいつらと友達なのか?」

(藪から棒になんだよ。と根掘り葉掘り聞かれました。)

丁度、閉店作業になったので、いつも通りに若手社員達と外の自転車や展示物を入れていたら、先程の彼らが、外で私に声を掛けてきました。

「智聖!」

「仕事頑張れよー!」

「おーい!こっち見ろよ!」

ヤジなのか、ふざけてるのかわかりませんが、エールだと思って作業用BGMのように聞いてました。目が合うと手を振ったことは覚えています。

改造したバイクが近くにあり、タバコを吸っている光景はまさに修羅の如くです。

しかし、Nさんは、ドアから外を眺めてはソワソワして作業に入ってくれませんでした。

そういえば、Nさんは、飲み会や休憩室でやたら地元の悪かった話を社員や若いアルバイトにふっかけて「俺つえーアピール」をするのです。東北出身で、寒さに強い。そして、成人式で暴れただの、くだらない話ばっかりするんです。

けれども、閉店作業を手伝わなかったのをたまたま次長が注意したんですよね。したら、こんな事がありました。

K次長「おい、N。お前一人で閉店作業してこい。」

「いつも智聖や社員にやらせてるじゃないか。知ってるぞ。」

「フロアで見てたけど、お前外の客たちにビビってただろ。」

すると、途中から私が出てこなくなったのを気づいてNさんに地元のOとI達がでかい声で話してました。

「あれ、さっき声かけたニイチャンしかいないや。」

「あいつ、俺らにビビってたよな。」

そんな会話をしつつ、バイクを吹かしながら、コールをきってました。

Nさんは、ソワソワしだして閉店作業を途中で止めました。
すると次長に

N「外のお客様が大変柄悪いので、今日は先に上がらせてください!」

(え、マジでいってんの?と爆笑しそうになりました。)

そうなんです。もうお読み頂いてる方は御存知の通り、彼はただの強いものに弱くて、弱いものに当たる典型的な小物だったのです。

彼は、そのまま猛ダッシュしてタイムカードを切って彼らのいない裏口からそそくさと帰宅したようです。

これにより、閉店作業は、今後私が社員とやることが無くなり、彼のチームだけでやることになりました。次長が元々してなかったことを他の社員から相談されてたそうです。

兵どもが夢の跡ですね・・・。

飲み会からの桃源郷。

うちの店舗は、仕事中はパワハラや鬼のように厳しい人が多いです。最初いた人達も次来た人達も同じですね。けれども、飲み会が多いです。納会、歓送迎会、忘年会、新年会などなど。

最初の頃は、パワハラ店長がお酒が大好きで事務所の上で仕事が終わると、ビールなど買ってきてつまみ片手に飲んでました。普段仲が悪い人も、何故か親友か!というぐらい肩に手を組んで歌を歌ったりしてました。

我々は、未成年でしたので、当然酒は呑みません。もう時効ですけどね、ある時にこっそり酒をジュースに混ぜて反応を見てくるSっ気のある女性社員が多かったですね。男子高校生と20代のお姉さんと一緒に呑むわけなので笑

いたずらは、研修でお世話になったYさんが筆頭です。この方、恋バナで他のチームのチーフさんと付き合ってました。けれども、チーフさんが異動してしまいイチャイチャ出来なくなったのです。

噂によると、元々家が遠い所にあって最近全然会ってないそうです。実はこの当時に別れ話が出てたようでした。ある飲み会では、例の大異動する件で歓送迎会の時です。9月の涼しい日でした。

1次会はお開きになって大多数が帰りました。2次会で、有志で最寄り駅まで歩いてカラオケ行きました。参加したのは、私と後に辞めた高校のK、若手社員のYさんと同期だったNさん、異動が決まっていた家電のチーフとサブチーフさんでした。しかしながら、チーフとサブチーフは、相当酒を呑んでいるのです。カラオケどころではなく、途中で寝てましたね笑

友人Kがトイレで一緒になった時こんな話をしてきました。

K「おい、Nさんやばいよ。マジで凄い。」

どうしたんだ。と聞いてみると色々とされたようです。

てっきり噂によるYさんかと思ったら、Nさんから色々とちょっかいを出されたようです。レジをしていた若手のお姉さんなんですが、元々Kと一緒に仕事しているせいで、結構仲良くなったそうです。

Nさんから1次会と2次会のトイレに行く途中抱きつかれたり、顔を近づけられたりして、Kは驚いたそうでした。
当時、誰とも付き合ったことが無い彼なので、免疫は無いのかもしれません。

すると、Nさんは気分が悪くなったそうなので、一度店を出て、タクシーでKと帰宅。チーフとサブチーフ達も寝起き早々近くのビジネスホテルで泊まることになりました。

残ったのはYさんと私です。幸い私は、家が近くなので歩いて帰れる距離ですが、Yさんは遠くに家があるので始発が出るまで帰れません。タクシーだととんでもない料金になります。

ちなみに彼女とは、研修以外では、殆ど話したことありませんし、仕事中に挨拶ぐらいですから、距離感を感じ得ざる得ません。

部屋に戻ると、ソファで寝てました。カラオケルームの音楽が静かに流れています。よく見たら、お酒のグラスが他の人達を送り出した時よりも量が減っています。

(彼氏のチーフとは上手くいってないとか。仕事のストレス凄いんだろうな。)

と腕を組んで私も寝ようとしていた時です。Yさんがドラクエ4のエスターク張りに目覚めたのです!

Y「あれ、皆いないけど、どうしたの?」

「タクシーで帰りまして、チーフ達はビジネスホテルで寝るそうです。」

Y「あ、そうなんだ。あたし酔っ払ってちゃってさー。」

「始発までまだまだ時間ありますよね。」

凄いフラフラしながら、こちらに座ってきました。丁度メニューがあったので、なにか頼むか聞こうとした所、衝撃の出来事が。。。

なんと、メニューを差し出した瞬間、首に腕を絡まれてキスをされたのです。あまりにも、突然過ぎて驚きました。※KOF96という有名な格闘ゲームがありますが、ラスボスのCPUゲーニッツが使う「やみどうこく(お別れです)」投げ間合いぐらい早い。

続きます。


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