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意味がなくても。

「三歩歩いて、二歩下がるんだよ」
一羽のマガモがハムスター達に何か教えている。
「何で」
「何で」
マガモは足踏みをしながら「運動になる」と言う。
「進まないじゃん」
「進まないじゃん」
マガモは、ぐわぁと鳴いて「そうじゃないんだ」と表情を変えず冷静にハムスター達に話す。
「歩けばいいじゃん」
「歩けばいいじゃん」
マガモは、ぐぅうと唸り「確かに…」と言う。
そう、これは、特に意味のない会話。

意味のない会話が何度もなされて
毎日が出来上がる。
それでも良いと動物達は知っているのだ。

「進まないじゃん」「そうじゃないんだ」

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